『マイヒーロー』はいつもレッズにいた。家族全員が浦和レッズのファンだった。
「マイヒーローは?」と聞くと、堀内の思い出は幼稚園時代にさかのぼった。
「サッカーを始めたころは、田中達也さんに憧れていました。ゴールを決めた後に左手の指にキスするポーズがかっこいいと思っていたんです。幼稚園児なのにゴールを決めたら真似していました(笑)。幼稚園児だったので細かいことは分かっていませんでしたが、田中さんはゴールをたくさん取っていたイメージでしたし、やっぱりゴールを取る選手がかっこいいと思っていました」
「サッカーといえばレッズしかありませんでした。小学生になる頃には浦和レッズとして好きになりましたし、誰というわけではなくレッズでプレーしている選手みんなが好きでした」
「幼稚園の頃は田中達也さんばかりに目がいっていましたが、映像を見るとエメルソンさんのインパクトがすごかったです。あのスピードと相手の裏への抜け出し方、得点力はすごく印象的でした。僕も当時はゴールを取ってチームを勝たせる選手になりたかったですし、エメルソンさんもヒーローでした」
「ユースに入ってから守備的になり、バランスを取るタイプになったので、遠藤航選手を参考にするようになりました。球際でガツガツ行くところはもちろんですが、相手の追い込み方やボールを取りにいくタイミング、体の入れ方など細かい個人戦術、相手の攻撃の芽を摘むところは勉強になります」
「遠藤選手が埼玉スタジアムで行われた川崎フロンターレ戦を見に来ていました。試合が終わってロッカールームに入ったらたまたま遠藤選手がいて、写真を撮ってもらいました。みんながすぐに帰ってきたのでゆっくり話すことはできませんでしたが、写真を撮ることができてめちゃくちゃうれしかったです。年齢差はありますが、いつか一緒にプレーしたいと思っています」
『GoGoReds!デー』で初めてスタジアムに来る子どもたちにどんなことを注目してほしいか。そう尋ねると、堀内は自身の経験を交えながら真っ先にそんな人たちを挙げた。
「僕が小さい頃はスタジアムの雰囲気に一番驚きました。FC東京戦も難しい試合になるかもしれません。そうなれば、選手もそうですが、ファン・サポーターの方々も熱くなると思います。ファン・サポーターの方々がどんなおもいで試合を見ているのか、あの熱狂的な応援、スタジアムの雰囲気に注目し、肌で感じてほしいと思います。スタジアム全体が揺れている感じは、レッズの試合でしか体験できません」
「今のレッズもすごい選手ばかりなので、子どもたちには憧れの選手を見つけてほしいです。それを機にレッズを好きになってほしいです」
(取材・文/菊地正典)