「(鈴木)彩艶を試してみたいんだ」
「まるでジェットコースターのような感じでしたね」
「もちろん、悔しかったです。でも、それでチームを乱すようなことがあってはならない。しっかり受け入れて、チャンスと捉えなければいけない、自分にとって"いい時間"にしたいなって」
「今、ハマさん(浜野征哉GKコーチ)と、全体練習が終わったあとに『今日はパワー系をやってみよう』とか『今日はスピード系を入れてみよう』とか、相談しながら体をしっかり追い込んでいます。それは自分にとってすごくプラスで。やればやるほど、体が動くようになるなって感じているところです」
「今改めて、試合に出られない選手の気持ちが感じられる。出ていない選手に対してどんな言葉を掛けてあげればいいのかとか、これまでとは違う目線で、いろいろと感じることができています」
「塩さんが『やっと若いやつが出てきて、周作もいい刺激が得られる時期に来たね』とボソッと言ってくれたんです。『ここからだね』って。本当にその通りで、素晴らしい刺激を受けています」
「圭佑もいろんなチャレンジをしているし、佑都なんかまだ代表で頑張っているし、岡ちゃん(岡崎慎司)はスペインで、(細貝)萌はタイで戦っている。GKなら、神戸の飯倉(大樹)やガンバの東口(順昭)がいる。『俺ら、まだまだがんばろうぜ』っていう話はよくしますね」
「ジャンプ力、身体能力、体付き……。僕にないものを持っていますからね。あと、すごく真面目なんですよ」
「その日の練習の動画をもらって、夜、ずーっと見ているんですよ。とにかく自分が成長するために、修正したい、吸収したいって。繰り返し見て、次の日の練習で試す。その作業をやり続けるんです。
「今の3人の関係性が僕は大好きで。今のGKチームは自然体というか、いいバランスというか。塩さんが一番上にいて、真ん中に僕がいて、若い彩艶がいて、ハマさんがいる。互いに声を出しながら、励まし合いながら、切磋琢磨しながらやれている感覚です」
「試合は自分たちがトレーニングでやってきたことを発表する場、つまり発表会なんです。だから、思う存分楽しんで、自分を発揮してほしい。GKチームを代表して彩艶が発表するんだから、楽しんでプレーしてほしいんです」
「目の前にあるチャンスを生かさないといけないと思っていたし、結果を残さないといけない立場だということも分かっていました。自分にとって勝負の1週間だなと」
「最悪の状況は想定していたので、動揺することはなかったですね。アウェイゲームだったので、たとえ1失点したとしても、その後ゼロで抑えて1点でも取れれば、相手のほうにプレッシャーが掛かりますから」
「一瞬の判断だったんですけど、予測もできていたし、予備動作も大きくならずにコンパクトで、足を運んで止められました」
「キャスパーとは初めて先発で同じピッチに立ったんですけど、富山戦も、神戸との第2戦でも改めてワンチャンスを決められる選手だなって。神戸との第2戦なんて、あんなロングボール1本で点を決めちゃうなんて、ちょっと信じられなかった」
「自分がしっかりプレーして、チームの勝利に貢献することで、リカルド監督を悩ませることができると思うし、試合に出る喜びは、これまで以上に感じられています。チームを勝たせられるGKであり続けたい。その思いをさらに強くしています」
「なんだろう、新人のときのような気持ちなんです。純粋に『試合に出たい!』っていう。ナラさん(楢﨑正剛)のJ1通算出場試合数(631試合)を上回るという目標は変わっていないので、もっと練習をがんばろうって」
(取材/文・飯尾篤史)