2021年のテニス界を振り返るアンケートで、錦織圭に次いで「読者の胸を熱くした」のは、西岡良仁でした。コート内外で活躍する彼に迫ります。
特に強豪との試合でいい試合をすることが多く、いつも心を熱くさせてもらいました。
コートカバーリングが凄い。どこに打たれても追いついてたイメージ。
ウィンブルドンでイズナーにフルセット勝ちした試合。体格差がありながらも最後まで食らい付いてポイントを取りに行く姿に心打たれました。
ウィンブルドン対イズナー戦。驚異の高速&ハイバウンドサーブに序盤苦しめられた西岡。最終的には攻略し、勝利した
「胸を熱くした選手」アンケートで、錦織圭に次ぐ票を集めた日本人選手。
それは“小さな巨人”こと、西岡良仁だった。
コート上の西岡の、軽快なフットワークと揺るがぬ信念は、いまさら言及するまでもないだろう。
そしてオフコートでも彼は、この二つの武器を発揮し、日本テニスの発展に貢献しようとしている。
その最たる例が、Yoshi’s Cupの開催だ。
Yoshi’s Cupは西岡が企画発案から運営まで、すべて担ったジュニア大会。
参戦者は16歳以下の8名で、西岡の選出による招待制である。
試合や練習で忙しい現役の最中に、あえて自ら動く訳は、「今が、自分の価値がいちばん高いから」。
170㎝の身体で、今現在世界のトップに挑む彼の言葉は、重い。だからこそ、大会実現のために多くの人々が協力を申し出た。
もちろん、参戦選手たちの心にも西岡の助言や体験談は響いたはずだ。
前日のセミナーも含め3日間のYoshi’s Cupを終えた日の夜、西岡は開催地の三重県から、練習のため東京へと急行。28日の夜には、新たなシーズンに向けオーストラリアへと旅立った。
もっとも西岡にとっても、ジュニアの戦いを見ることで得るものも多かったという。
「何より大きいのは、彼らの貪欲さ。僕もプロで長くやっている中で、フレッシュな感情を見せてもらえた」
少年たちの勝利への渇望や我武者羅さは、西岡のフットワークと揺るがぬ信念を一層強化するはずだ。
<おまけ>
Yoshi’s Cup終了後、選手たちと西岡によるけん玉バトルが勃発!大技“飛行機”勝負で、唯一、一発で決めたのが西岡だ。
この集中力、この勝負強さ! ジュニア選手たちは間違いなく、先輩の偉大さを痛感したはずだ。
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