WEリーグ開幕2連勝を狙う三菱重工浦和レッズレッズレディースは9月20日、浦和駒場スタジアムに昨季なでしこリーグ8位のノジマステラ神奈川相模原を迎えて、ホーム開幕戦に臨む。
第1節は敵地で皇后杯覇者の日テレ・東京ヴェルディベレーザに菅澤優衣香、塩越柚歩のゴールで逆転勝ち。昨季のなでしこリーグ女王らしい堂々たる戦いぶりを見せた。
序盤から細かいパスワークで敵陣に押し込み、積極果敢なプレスでペースを掌握。ハイラインの背後を突かれて、1失点こそ喫したものの、2点を奪う攻撃力は今季も健在だ。
攻守で八面六臂の活躍を見せたのは、東京五輪代表でもプレーした23歳の塩越。ハイプレスの急先鋒となり、しつこいくらいに相手を追い回した。持ち味のドリブルでも魅せた。1-1で迎えた88分、相手GKを背にしてこぼれ球を拾うと、迷うことなくくるりと反転し、ゴール右上へ。空いているシュートコースをしっかり狙っていた。
「パスの選択肢はなかったです。ターンできる感覚はありましたし、前を向けるなと思いました。あとは思い切り足を振るだけでした」
オープ二ングゲームから役者がそろい踏みで活躍したのは、次節に向けての好材料。昨季、得点王の菅澤が同点ゴールを決めれば、ベテランの安藤梢はフル出場でチームをけん引。守備を引き締めるセンターバックの南萌華、守護神の池田咲紀子も安定したパフォーマンスを披露し、最後まで粘り強く対応していた。
20日の駒場で注目したいのは、"N相模原キラー"のエースストライカー。昨季、菅澤はN相模原との2試合で、ハットトリックを含む計4ゴール。一昨季にも1試合で3ゴールを挙げており、まさにお得意様と言っていいだろう。
開幕からゴールをマークし、幸先の良いスタートを切った点取り屋は、次節にも意欲を燃やす。
「この勢いに次につなげていく。FWなので、点を取って、チームに貢献していきたいです」
2017年以降、ホーム開幕戦は4季連続負けなし。追い求めるのは結果だけではない。ピッチで戦う選手が楽しみ、観客も楽しませる。ここから女子プロサッカーが根付くようなフットボールを提供することを誓う。
エースは言葉に力を込めていた。
「一気に何かが変わるわけではないです。見ている人と一緒にWEリーグをつくりあげることができれば、と思います」
始まったばかりの連続ドラマ。続けて見ることで、きっと面白みも増してくるはず。月曜17時の2話目にも胸が膨らむ。
開幕戦ハイライト
(取材/文・杉園昌之)
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