女子サッカーのプロリーグ化を2021年秋に控え、プレナスなでしこリーグが7月18日に開幕。浦和レッズレディースはジェフ千葉レディースと対戦して4-2と勝利した。森栄次監督就任2年目、ポゼッションサッカーに磨きを掛けるチームが目指すのは、もちろん6年ぶりのリーグ優勝だ。昨季の順位は2位、得点ランキングも2位に終わり、「今季こそ」と闘志を燃やすエースストライカーの菅澤優衣香に話を訊いた。
良い流れを作るためにも、初戦は結果が大事。幸先の良いスタートが切れて良かったです。私自身も2ゴールと、FWとしての役目を果たせて、ホッとしています。
昨年、森監督が就任してレッズのサッカーは変わりました。ボールをしっかり繋いで相手を崩し、奪われたらすぐに奪い返しにいく“攻守一体”のサッカー。
最初は表現するのが難しいかなと思ったのですが、次第に形になり、結果もついてくるようになりました。2位という結果を出せたのは、森監督のサッカーを理解し、表現できるようになったからだと思います。
相手陣内で守備をするからボールを奪う位置が高く、攻撃の人数も多い。だから、私もすごくプレーしやすいんです。自分でドリブルしてどうにかするのではなく、周りの選手を生かしながら、ゴール前に入っていける。自分に合ったサッカーだと感じます。
だからこそ、周りとのコンビネーションや自分のシュートの質をもっと高めて、チームの勝利に貢献したいと思っています。
昨年のベストゲームは9月、(現在リーグ5連覇の)日テレ・ベレーザを押し込んで3-2の勝利を飾った試合。ただ、次のINAC神戸戦で先制したにもかかわらず、逆転負けを喫してしまって。優勝を逃したのは、あの試合が要因でした。勝つべき試合でしっかり勝てるかどうか。それが今シーズンのポイントになると思います。
開幕戦では新加入の上野(紗稀)と、ドイツから復帰した(猶本)光がさっそく活躍してくれました。上野は左利きのサイドバックで、精度の高い左足のキックやドリブルでの打開力を秘めた選手。
光はドイツで揉まれてパワーが増したし、セットプレーのキッカーとしても貴重な存在。開幕戦では光のコーナーキックをヘディングで決めることができましたが、光のキックは力強いので、ヘディングする位置とタイミングが合えば入るという感覚がある。チームの強みになるので、お互いに質を求めながら磨いていきたいと思います。
個人的には15年シーズン以来となる得点王を狙っていますが、私はまだリーグ優勝の経験がないので、なんとしてもリーグタイトルを手にしたい。来年からプロリーグの「WEリーグ」が始まるので、優勝して「なでしこリーグ」を終えたいと思っています。
7月25日に行われるアルビレックス新潟レディース戦(新潟市陸上競技場)もリモートマッチになりますが、私たちの攻撃的なサッカーを見ていただき、ひとりでも多くの方に応援してもらいたいです。
私自身も、画面越しに今までとは違うものを楽しんでもらいたくて、ヘアスタイルを大きく変えてみました(笑)。
勢いに乗って3節のベレーザ戦(8月2日/浦和駒場スタジアム)を迎えるためにも、新潟にはしっかり勝ちたいと思います。リーグ優勝に向けて応援、よろしくお願いします。そしてまた、スタジアムで会える日を楽しみにしています!
(取材/文・飯尾篤史)