「黄金世代」と呼ばれた94~95年生まれの同期に比べれば、プロ転向は2年前と遅め。
やや遅咲きの華谷和生は、自己最高位の世界ランク357位に達する右肩上がりの最中に、新型コロナウイルスにより快走を遮られた。
そのため一時はかなり落ち込んだが、今は気持ちもテニスの状態も再浮上中。契機となったのは、同じ拠点で練習する日比野菜緒や加藤未唯ら、同世代たちの存在。そして7月1日に開幕が迫る、クラウドファンディングによる賞金大会『BEAT COVID-19 OPEN』の開催だ。
安定感の増したバックハンドを打ち込み、前に出て決める。これが華谷が目指すプレーだ
華谷がこの数カ月間、特に向上を感じているのが「バックハンド」。
走った後にしっかり止まり、身体が流れることなく打てるようになったのが要因だ。
その安定感を築いたのが、メディシンボールを使った地道なトレーニング。1kgのボールを受け止め、バックハンドのフォームを意識し素早く投げ返すことで強化してきた。
ボールを受け止め投げ返す一連の運動を、下半身を動かさず、なおかつ素早く遂行する
最近の試合形式の練習でも、「ストロークの安定感が良くなった」と、成果を実感する華谷。同時に「菜緒ちゃんとかと練習すると、まだまだやなってなっちゃうんです」と向上心も増した様子。
無観客ながらライブ配信がある『BEAT COVID-19 OPEN』にて、成長した姿をファンに見せる心づもりだ。
華谷和生(はなたに・なぎ)
愛媛県松山市出身。1995年3月生まれの25歳。趣味は歌うこととピアノという音楽人でもある。
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