ジュニア時代から活躍し、日本男子若手の成長株である清水悠太。身長163cmは、恐らく世界を転戦するプロ選手の中で最も小柄だが、「みんなに覚えて貰えるので、一番小さいのはウリになりますよね」とプラスに捉える靭やかさを持つ。
ただ、全身を目一杯使って打つため体への負担は大きく、腰痛に悩まされることもしばしば。
「人の倍は体を使うので、トレーニングも倍しなくては」と覚悟する清水は、ツアー中断中の期間に体幹を重点的に鍛えたという。その甲斐ありトレーナー氏も「体幹が強くなって、フォアを打つ時も体がブレなくなった」と成果に太鼓判を押した。
安定感の増したフォアハンドを練習で打つ清水。ランニング・ショットの精度が特にアップ
そのトレーナーの言葉を伝えると、「そうなんですか? 嬉しいです。僕には言ってくれないので」とはにかみ相好を崩す清水。打つ際の姿勢が安定したため、持病の腰痛も軽減されているという。
傍目にも、上半身が一回り大きくなったのは明らか。そこで褒め言葉のつもりで本人にそう言うと……「本当は上半身大きくなるの、ちょっと嫌なんです」とポツリ。
その訳を問うと……「似合う服がなくなっちゃうので」と、これまた恥ずかしそうにポツリ。
そこは、21歳の青年らしい悩みだった。
清水悠太(しみず・ゆうた)
滋賀県湖南市出身、21歳。JTAランキング10位。全米OPJr.ダブルス準優勝や世界スーパーJr.優勝など早くから頭角を現す。食事も含め日々の生活にもストイックだが、一番好きな食べ物は実はラーメン。
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