「デッドリフトの美しさは、彼女はピカイチです」
トレーナー氏がそう称えるのが、小柄な身体で世界と戦う加藤未唯。高い運動能力を誇り、特にネット際での見せる(魅せる)プレーに定評のある選手だ。
デッドリフトとは、両手でつかんだバーベルを、背筋を伸ばして持ち上げるトレーニング。主に背筋の強化が期待でき、やる時のコツは「肩甲骨をしっかり寄せること」。加藤は最も効果的な形で、このデッドリフトができているという。
腕は伸ばしたまま背筋と太腿の力でバーベルを持ち上げる
背筋の強化は、走る、飛ぶなど全ての基礎的な動きの向上に繋がる。加藤の高い身体能力の秘密も、どうやらここにありそうだ。
さらに仲間の選手たちが、「あの背筋があるから上手なんだろうな」と声を揃えるのが、バックハンドボレー。片手でのバックボレー……特に高い位置のボールを片手で叩くのは女子選手にとって難しいが、加藤は苦もなく決めてみせる。
力が入りにくい高い位置のボールも片手で鋭く叩きこむ。その決まったフォームは男子選手も羨むほど
見る者を魅了するプレーの背後には、地道なトレーニングがある。
加藤の華やかなボレーのバックにあるのは正に、鍛えられた背中だ。
加藤未唯(かとう・みゆ)
京都市出身25歳。全豪OP複ベスト4やジャパン女子OP単準優勝などの実績を誇るオールラウンドプレイヤー。コロナ禍によるツアー中断時期に、オンラインでクラシックバレエを習い始めた模様。
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