来季からプロツアーでの活躍を期する18歳の今村咲は、フォア、バックともに両手打ちのプレースタイルが似ていることもあり、10歳の頃から中村藍子に憧れ、お手本にしてきたという。
その中村が今年3月にテニスアカデミーを開校した時、真っ先に声を掛けたのが「自分とプレースタイルが似ている」と感じた、今村だった。
今夏、中村のアカデミーで練習する今村を見た時、最初に会った4月の頃に比べ、かなり身体がシャープになった印象を受けた。
聞けば「トレーニングをかなりやっているんです」と笑顔の返答。中でも力を入れているのが、フットワークの向上だという。
今村にとって中村は、“メンタルバリア”を取り払ってくれた存在でもある。
「両手打ちはリーチが短いし、強くなるのは難しいのかな……」
一時はそんな疑念を抱いていた彼女に、中村が伝えたのは「フットワークを良くし、コートを広くカバーすればいい」「下半身を使って打てば、両手打ちの強打がより生きる」などの助言。自らその信念を実践し世界で戦った中村の言葉は、今村の心に染み渡った。
俊敏さを増したフットワークと尊敬する大先輩からの指導で得た自信で、ツアー再開後のスタートダッシュを胸に期する。
中村藍子(なかむら・あいこ)
1983年生まれ、大阪市出身。WTA最高ランキング47位。約10年ツアーを転戦した後、2012年にケガもあり引退。夫でテニスコーチの古賀公仁男とともに、今年3月から兵庫県で念願のアカデミーをスタート。
今村咲(いまむら・さき)
2002年生まれ、京都府出身。左右とも両手から放つパワフルかつスケールの大きなテニスで、今年1月には全豪オープンジュニア出場。10歳の頃にイベントで中村に会って以来、尊敬しプレーもお手本にしていた。
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