「これまでKOしたパンチはほとんど手に感触がないんです。あれ、今ので倒した?という感じですね」
元日本&東洋スーパーバンタム級王者の和氣慎吾は、KOした試合を振り返りそう語った。
2013年に初のタイトルを獲得してからは、14勝のうち13KOと、ほとんどでKO勝利を収めている。
キャリアの中盤で倒すコツを掴みKOの山を積み上げてきた。そのパンチを、実際にミットで受けてみた。
サウスポーながら、長身を生かした右フックも重たい
和氣はサウスポースタイルのカウンターパンチャーだ。
左ストレートはピンポイントに当たっている。キレのある非常に硬いパンチだ。いいタイミングでもらったら倒れてしまうだろう。
相手が出てきたところに合わせる練習をひたすら反復。体が自然に反応するのが理想だ
ボクシングでは、カウンターパンチでのKOが一番多い。
打とうとする時は、どうしても防御のことが頭から離れる。
「相手が出てきたところを仕留めます。左ストレートが得意で、相手の入り際に打ちます」
まるで居合斬りのように倒すのが特徴だ。
試合中は意識していないようだが、練習での反復で倒す勘を養う。
「もう一度世界に行きたい。世界ランクを上げてチャンスを掴みにいきます」
ベテランサウスポーが、得意のカウンターを磨き上げ世界を狙う。
和氣慎吾(わけ・しんご)
岡山県岡山市出身、33歳、FLARE 山上ボクシングスポーツ所属、第41代OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者、第40代日本スーパーバンタム級王者。戦績は35戦27勝(19KO)6敗2分。リーゼントがトレードマークの「拳闘番長」。
関連記事
和氣慎吾が生まれ変わる!?左のプロから教わった「キレを増すバランス」とは
【木村悠「チャンピオンの視点」】