戦績は12戦全勝10KO。並みいる強敵たちをリングに沈めてきた日本ライト級王者・吉野修一郎は、パンチに自信を深めている。
「特に左フックはアマチュアの時から武器にしていましたが、磨き続けて進化した実感があります」
彼の自慢のパンチを体感したいと思い、ミットを手に取った。
実際に受けてみると左フックはもちろんのこと、ストレートの重さにも驚かされる。ミットを持つ手の芯まで響くような、鋭い衝撃だ。
「体のバランスを強化して、拳に力を伝えられるようにしています。特に前足を重視しています」と本人も話すように、強いパンチを打つには、体の使い方が大きなポイントになる。
シャドーの動画でも右足を軸に、前足となる左足をひねっているのがわかる。ひねった力を、下半身から末端の拳まで伝えることを強く意識しているようだ。
「KOはあくまで結果で、狙ってはいません。試合の流れで自然とできています」
全身の力を無駄なく伝える技術を磨いた結果、吉野はどのパンチでも相手を倒す実力を手に入れた。
国内で無敵を誇るこのパンチが世界でどこまで通じるのか、とても楽しみだ。
吉野修一郎(よしの・しゅういちろう)
栃木県鹿沼市出身。28歳。第62代日本ライト級王者。第47代OPBF東洋太平洋ライト級王者。現WBOアジアパシフィックライト級王者。三迫ボクシングジム所属。大卒後2年のブランクを経てプロデビューを果たす。戦績は12戦12勝10KOと負けなし。
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