6名の現役日本王者を擁し、東洋太平洋も含め8名の現役チャンピオンが在籍する三迫ボクシングジム。
設立から60年の長い歴史でも、最盛期といわれている。
並みいる猛者の中でも最も世界に近いといわれているのが、日本ライト級で5度防衛中の吉野修一郎だ。
世界でも層が厚いライト級で、日本、アジア、東洋太平洋の3つのベルトを持ち、WBC・WBOで11位、IBFで15位にランクされる。
プロデビューから12戦負けなしの8連続KO勝利中。KO率80%超を誇るハードパンチャーだ。
練習ではパンチ力にさらなる磨きをかけているのかと思えば、必ずしもそうではない。吉野は「今、一番必要なのはバランスです。この数カ月は重点的に鍛えてきました」と語る。
元東洋太平洋王者の椎野大輝トレーナーと、タイミングやバランスを確認しながらのミット打ち
「いかにバランスを崩さずにコンビネーションを打てるか。体の芯をぶらさずに連続で強打できるようになるのが理想です」
強靭な筋力があっても体の重心が安定しなければ連打や、試合での素早い対応は難しい。元来の強打を自在に操ることができるようになれば頂点も見えてきそうだ。
9月3日には、国内最強を決めるべく、吉野と戦うために一階級落としてきた元スーパーライト級日本王者・細川バレンタインとの試合が決まっている。
世界を目指す吉野にとって、絶対に負けられない。注目の試合だ!
吉野修一郎(よしの・しゅういちろう)
栃木県鹿沼市出身。28歳。第62代日本ライト級王者。第47代OPBF東洋太平洋ライト級王者。現WBOアジアパシフィックライト級王者。三迫ボクシングジム所属。大学卒業後2年のブランクを経てプロデビューを果たす。戦績は12戦12勝10KOと負けなし。
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