「リトル・パッキャオ」と呼ばれている日本人ボクサーがいる。
スーパーフライ級で3冠王者(日本、東洋、アジア)の福永亮次だ。これまで17戦13勝4敗の戦績で、勝った試合は全てKOで勝利している。
6階級制覇王者のマニー・パッキャオと同じサウスポースタイルで、見た目も似ていることから、所属している角海老ジムのスタッフに命名されたようだ。
本人は自覚がなかったようで「最初は恥ずかしかった。顔も似ていると言われます」と控えめ。レジェンドと比べられるのは、嬉しい事だが恥ずかしさもあるようだ。
2 weeks to go. #PacThurman
— Manny Pacquiao (@MannyPacquiao) July 6, 2019
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(▲マニー・パッキャオ:Twitterより)
福永の強みはパッキャオと同じ左ストレートだ。
トレーナーとのミット打ちでも、左のタイミングを掴みながら強いパンチを打ち込んでいた。
鋭い踏み込みはパッキャオを彷彿とさせる
踏み込みが速いので、相手から見れば想定以上にパンチの到達が早く、避けることが難しいはずだ。
昨年12月に行われた、日本王者・中川健太との統一戦でも左でダウンを奪い、10回TKOで勝利した。
25歳でボクシングを始め、デビュー戦は黒星スタート。しかし、コツコツと前進し、34歳にして3冠王者のキャリアハイ。レジェンドの名を冠した愛称も定着しつつある。
「タイミングが合えば倒せる。感覚が分かってきた」とKOに自信を見せる。
次戦は6月21日。日本同級8位の藤井貴博と対戦する。
「良い勝ち方をして、『世界に挑戦してよい』と言われるような試合をしたい」と、周りを納得させる内容での勝利を目指す。
リトル・パッキャオ福永の活躍に期待したい。
福永亮次(ふくなが・りょうじ)
大阪府高槻市出身、34歳、 角海老宝石ボクシングジム所属、第43代日本スーパーフライ級王者、第38代OPBF東洋太平洋スーパーフライ級王者、WBOアジアパシフィックスーパーフライ級王者の現3冠王者。戦績は17戦13勝(13KO)4敗。
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