3階級制覇の元王者ホルヘ・リナレスは今月29日(日本時間30日)にWBCライト級正規王者デヴィン・ヘイニーと対戦する。
リナレスにとって5度目となる世界王座返り咲きのチャンスだ。一方対する王者ヘイニーは、まだ22歳ながら、25戦全勝(15KO)と勢いのある選手。
王者とは過去にスパーリングの経験もあるといい、「ヘイニーは攻めてこないだろうね。ボクの右が怖いから逃げるだろう」と分析する。
そのため、練習ではプレッシャーを掛けながら追い込み、右の打ち込みを強化している。
ミットを持つのは弟でトレーナーのカルロス
注目すべきは、ドラムバッグ型のミットに打ち込んでいることだ。
通常のミットよりも手応えを感じやすく強く打ち込めるため、パンチ力の強化に役立つ。
この押し込むような右であれば、ガード上からでも相手に大きなダメージを与えるだろう。
「彼にとって(今までの相手で)私が一番のビッグネーム。若いからまだ耐久力がない。タイミングとプレッシャーで、いい右が入れば絶対倒せる」
徹底的に強打を打ち込み仕留める算段のようだ。
今回の試合を「ラストチャンスで、今までで一番大事な試合」と語ったリナレス。
試合が行われる5月29日は愛娘の誕生日。そして、会場であるマンダレイ・ベイは彼が初めてのタイトルを獲った場所だ。
キャリアの集大成となる試合、リナレスの王座返り咲きに期待したい。
ホルヘ・リナレス
ベネズエラバリナス州バリナス出身、35歳、帝拳ジム所属、元WBC世界フェザー級、元WBA世界スーパーフェザー級、元WBC・WBA世界ライト級王者。ニックネームは「El Niño de Oro(ゴールデンボーイ)」。
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