4月24日、WBC世界ライトフライ級1位の久田哲也が、王者・寺地拳四朗に挑戦する。
36歳の苦労人・久田にとっては2年ぶり2回目となる世界王座初奪取のチャンス。待望の試合だ。
当初は昨年12月に開催予定だったが、拳四朗の不祥事発覚により中止。仕切り直しとなった試合への思い聞くと「待たせやがってコノヤローってかんじですね(笑)」と開口一番明るい声が飛んだ。
王者については「自分のリズムで戦っているから体力が落ちないですよね。がむしゃらに行ってもスタミナが奪われて、倒されてしまう可能性がある」と分析する。
その上で「力まず打つというのがポイントになると思います。中途半端なボクシングはせず、行くときは行く、抜くときは抜く。メリハリをつけたボクシングで戦いたい」と展開を見据えている。
サンドバッグを叩き12ラウンド戦う体力を養っている
スパーリングなどの公開も控えているが、明かしてくれたのは12Rフルで戦える体力作りに余念がないということ。
加えてサンドバック打ちの練習では、息継ぎをしない「無酸素ラッシュ」を取り入れていた。
体力を強化する狙いはもちろん、打ち合いで一気に流れを引き寄せるための、スパートは欠かせない。
お互い1年以上実戦から遠ざかっているため、先にペースを握った方が有利になる。久田としてはメリハリのある組み立てで王者の出鼻を挫き、ここぞという時のラッシュで試合の流れを支配するのが理想的だ。
突然の試合中止も、実は前向きにとらえている面がある。
「まだまだあかんなというところがあったので、(期間が空いて)僕の中では勝率がグッと上がった感じがします。スパーもしっかりできていますし、スタミナも上がっている感覚があります」
モチベーションを落とさず、ここまでハードワークを続けてきた。
勝利すれば長谷川穂積の35歳9ヵ月(2016年、WBC世界スーパーバンタム級)を塗り替えて日本選手最年長での世界王座奪取となる。久田の「人生をかけた戦い」に注目だ。
久田哲也(ひさだ・てつや)
大阪府堺市出身、36歳、ハラダボクシングジム所属、第40代日本ライトフライ級王者。戦績は46戦34勝(20KO)10敗2分。
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