アメリカでの敗戦を経て日本での再起を目指すスーパーライト級・岡田博喜(トップ画像右)。
無敗だったデビューから18年の国内戦までは意識できていなかったが、海外の試合では自身の弱点として「打たれ弱さ」を痛感したという。
「最近では体の衰えも感じています。反応速度や打たれ弱いといった弱点が顕著になりました」
試合を積み重ねるほど経験値は上がっていくが、その反面、年齢的なピークを越えると反応速度や身体能力は下がっていく。
現在は実戦に近い形でトレーニングすることで、体を維持しながら弱点克服を模索している。ミット打ちにも細かな点で工夫が見られた。
パンチを打ち込んでから空にジャブを打ち込んでいるのがわかる。
打ち終わりは盾となる腕が伸び切った状態になり、体が無防備になる。
岡田の動きを見ると、すぐに腕を戻しジャブを繰り出すことで、相手を牽制しパンチを打ち込ませないようにしている。
これが試合でできれば打ち終わりの隙を狙ってくる相手選手も攻めきれない。ディフェンステクニックの手札を増やし、決定打を打たせないよう日々の練習でも試行錯誤している。
「試合で良いパフォーマンスを発揮できるように実戦を意識して練習しています。まずは日本での試合に勝利して、またアメリカからのオファーを待ちたいです」
弱点を克服し、再びアメリカのリングに返り咲いてほしい。
岡田博喜(おかだ・ひろき)
東京都中野区出身。31歳。第38代日本スーパーライト級王者。元WBOアジアパシフィックスーパーライト級王者。角海老宝石ボクシングジム所属。戦績は21戦19勝(13KO)2敗。米国のトップランク社と契約した日本人2人目のボクサー。
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