層の厚い国内軽量級で新たな主役に名乗りを上げている男がいる。日本フライ級1位の畑中健人だ。
9月5日に控える須藤大介(三迫)との日本タイトル挑戦の前哨戦は、実に1年7ヶ月ぶりの実戦となる。
「調子がいいので久しぶりの試合はめちゃくちゃ楽しみ。走り込み中心の練習を重ねたことで体重が3キロ減りました」
普段は試合直前に10キロ近くの減量をしているが、試合間隔が長かったため、無理なく体も絞れている。
取材時の練習ではドラム型のバッグを叩き得意の左を強化していた。
体を振りながら様々な角度でパンチを打ち込む。
手で受ける通常のミット打ちと違い、手応えが残り、パンチ力強化に役立つ練習だ。
建人はフライ級では異例の8割のKO率を誇る。普段からドラム型のミットを1~2ラウンド行うことで、一撃で相手をKOできる左のバリエーションを増やしているようだ。
加えて体のキレが増しており、KOの期待感はさらに高まる。
「日本か東洋をとって認められたい。そして世界王者になってたくさん防衛をしたい」
軽量級は日本を含めアジアの選手が強い。国内のタイトルを獲れば世界への道も大きく開けてくるだろう。
畑中建人(はたなか・けんと)
愛知県名古屋市出身、23歳、SOUL BOX畑中ボクシングジム所属、WBC世界フライ級ユース王者。戦績は11戦11勝(9KO)。父は元WBC世界スーパーバンタム級王者で、所属ジムの会長・畑中清詞氏。実現すれば日本初となる「親子での世界王者」を目指している。
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