現役2階級王者の京口紘人。5月に予定されていた3度目の防衛戦は延期となり、その間にパンチの威力を高めた体を作り上げた。
軽量級とは思えないほどの迫力があるミット打ちを見て、腕がうずくのを感じた。私、木村悠も引退からまだ5年。同じライトフライ級世界王者の先輩として体感してみないわけにはいかない。
無理を言ってリングに上がり、ミットを構えた。
実際にパンチを受けると想像以上の圧力だった。
パンチ力の決め手になるのは、勢いを体幹から拳にスムーズに伝達していく鋭い「踏み込み」だ。京口はそれに優れている。
下半身と連動した爆発的な力で、ミットが吹き飛んでいるのがわかるだろう。たった数発パンチを受けただけで、手が赤く腫れてしまった。
ガードの上からでも相手を警戒させる、十分な威力がある。
そんな強靭なパンチ力を身につけた京口だが、本人はそれに満足しない。「単純にパンチ力がKOに結びつくわけではない。パワーよりもタイミングが大事」と、さらなる進化を模索していく。
KOに繋がるタイミングなどの感覚は、対人練習が解禁となったこれからスパーリングで養っていくことになる。
試合再開に向けて準備は万端。進化した京口の試合が今から楽しみだ。
京口紘人(きょうぐち・ひろと)
大阪府和泉市出身、26歳、右ファイター、元IBF世界ミニマム級王者。現WBA世界ライトフライ級スーパー王者。過去戦績14勝(9KO)。YouTuberとしても活躍。朝倉未来など総合格闘家ともコラボレーションしている。
これからも、色々なボクサーのパンチを受けていきますのでお楽しみに!
【木村悠「チャンピオンの視点」】