自粛となっていたジムでの練習が再開し、1年ぶりに現役2階級王者の京口紘人を取材した。
久々に間近で王者を見て驚いた。前回取材時とほぼ同じ体重ながら、ひとまわり体が大きくなっていたのだ。
ミット打ち(トップ動画)の音に注目してほしい。
一つ一つの打撃にミットが破裂するかのような音が鳴り響く。これは通常、ライトフライ級の選手が出せるものではない。
ボクシングは繊細なスポーツだ。細かく分かれた階級ごとの体重差は軽量級では2キロに満たないが、パンチの重さは数字以上の差が生じる。その中で京口は体重を変えることなく、上位階級の「重さ」を身につけていた。
目指す試合のスタイルとは
京口は言う。「観ていて面白い試合はKOのある試合。それに繋がるアグレッシブなボクシングをしていきたい」。豪快なノックアウトで観客を魅了する――その思いを体現すべく、現階級で圧倒的な力を出せる体作りに取り組んできたのだ。
これまでは連打での攻めが多かったが、今後は1発で倒すケースも増えてくる。そう感じさせてくれる迫力のあるミット打ちだった。
京口紘人(きょうぐち・ひろと)
大阪府和泉市出身、26歳、右ファイター、元IBF世界ミニマム級王者。現WBA世界ライトフライ級スーパー王者。過去戦績14勝(9KO)。YouTuberとしても活躍している。
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