ボクシング界期待の新星・佐々木尽。
定時制に通う現役高校生ながら、プロのリングで破竹の勢いで勝ち続け、戦績は10戦全勝(9KO)だ。
しかも、最近の試合では3戦連続で1ラウンドKO勝利。前回の試合でもユースのタイトルマッチを3ラウンドで終わらせている。
一撃で相手をノックアウトする力を持つ、今最も勢いがあるボクサーだ。
そんな彼が理想とするのは元世界ヘビー級統一王者マイク・タイソン。
「タイソンのように、ガードの上からでも効くようなパンチで最強を目指したい」
世界的レジェンドも得意とする、左フックを武器にKO勝ちを量産してきた。
時間を掛けてシャドーでフォームを確認している
低い体勢で体の回転を活かしながら打つパンチと、スピードのあるシャドーはまるで往年のタイソンを見ているようだ。
中学時代に柔道で鍛えた下半身での踏み込みを利用し、瞬時に拳まで力を伝える事で強打できている。
「前に出てプレッシャーをかけて倒す。左フックは完璧に世界レベル。当たれば絶対倒せる」
通常はいくら自信があっても、スタートから飛ばすのはスタミナ切れの不安から躊躇してしまう。しかし、佐々木はお構い無しに初めから相手を倒しに行っている。
勝負強さと度胸を兼ね備えており、タイソンの若い時に非常に似ている。
まだまだ底知れない強さを持っているので、ベテラン選手や上位ランカーとの試合を早く見てみたい逸材だ。
「ジャパニーズタイソン」と呼ばれる、彼の豪快なボクシングに注目してほしい。
佐々木尽(ささき・じん)
東京都八王子市出身、19歳、八王子中屋ボクシングジム所属、第2代日本スーパーライト級ユース王者。戦績は10戦10勝(9KO)。
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