いよいよ3日、国内ライト級の注目カード、細川バレンタインVS伊藤雅雪の試合が行われる。
40歳となった細川は、今後のキャリアをかけた試合で初心に帰ることを掲げる。
「全体に上手くなったとは感じていますが、以前のような迫力がなくなってしまった。今回は原点回帰でワイルドに戦いたいと思います」
細川が気にする「迫力」は、プロボクシングの試合において技術力よりも結果に結びつきやすい。
私もプロアマ合わせて100戦以上の経験があるが、技術を競うアマチュアと違い、プロは「相手を倒す」と殺気がみなぎっている選手が強い。時には相手を恐れさせるような威圧も必要なのだ。
細川の「ワイルドさ」を体感するために試合を想定してパンチを打ってもらった。
距離を変え、左右にステップしながらパンチを打ち込む。左右に小刻みに動くので相手としても捉えづらいだろう。
細川は163cmとライト級では非常に小柄な選手だが、小回りがきくため接近戦では抜群の強さを発揮する。
何よりも撮影時に思わず下がってしまうほどの気迫を感じた。
試合への意気込みもワイルドに表現する。「この山を登れるのを見せたい。相手は考えないで自分への挑戦。挑戦者の気持ちが大事」。
今でも目指すのは世界の頂点だ。元世界王者を相手に万全の体勢でリングに向かう。
細川バレンタイン(ほそかわ・ばれんたいん)
宮崎県宮崎市出身、40歳、角海老宝石ボクシングジム所属、第40代日本スーパーライト級王者。戦績は36戦25勝(12KO)8敗3分。ナイジェリア人の父、日本人の母を持つ。弟は元OPBF東洋太平洋ミドル級王者の細川チャーリー忍。
関連記事
細川バレンタインの見た目からは想像できない「意外な減量法」とは
40歳になっても進化し続ける異色のボクサー・細川バレンタイン
【木村悠「チャンピオンの視点」】