「今年のキャンプに参加するときには、この1年でプロ契約を勝ち取ってみせるという意気込みで参加しました。そこから、よりプロになるために、サッカーに集中できる環境を整えて勝負したいと思うようになりました」
「全日制から通信制への編入を決めたのは、ユースで2つ先輩の孝太くんを見ていたのもありました。孝太くんも高校3年になって通信制に変え、サッカーに多くの時間を費やせる環境で生活していました。通信制に変えたからといって、プロになれるわけではないですけど、自分もプロになるために、さらに何かを変えたいという考えはありました」
「まず、トップチームの練習に常に参加できるようになったことは、本当によかったです。クラブハウスにいられる時間も長くなりました。全体練習後も、お風呂が好きなので、ゆっくりお風呂に浸かって、トレーナーに身体を見てもらえるし、ケアもできています。
「全日制のときは、トップチームの活動に参加するために学校を休んだり、世代別の日本代表に選ばれたときには長期にわたって学校を休んだりすることもありました。その間も授業は進んでいるので、特に代表の活動から戻ってきたあとは、授業の内容が分からなくなることもありました」
「ただ、勉強については、サボろうと思えば、いくらでもサボれてしまう。だから、自分でやるしかないと思って頑張っています。レポートを提出する機会も多く、大変ではないのですが、とにかく、地道に、コツコツとやっています」
「数学は、中学生のときに教えてくれた先生の授業が面白くて、それで好きになりました。他の授業では、ついつい眠くなってしまうときもありましたけど、その先生が教えてくれる数学の授業だけは、一度も眠くならなかったんです。だから高校生になっても数学はずっと好きでした。あと数学は、数式や解き方の理論が分かると、答えに辿りつけるところが面白かったんです」
「サッカーも、小さい頃からずっとゴールへの道筋を逆算しながら、頭で思い描いてきました。それに似ているところがあるのかもしれません。特に小学生のころは、友だちにそのゴールへの道筋について、『こうだからこうしよう』とか『ここでこうしたらこうなる』と話しても、なかなか理解してもらえなかったけど、それを親や大人に話すと理解してもらえることが多々ありました。
「今までも両親をはじめとする家族や、指導をしてきてくれた監督、コーチへの感謝はありましたけど、自分もやりたいサッカーをやってお金を稼ぐような立場になって、改めて自分の親を尊敬し、感謝するようになりました。
(取材・文/原田大輔)