「やっぱり選手権パワーはすごかったですね」
「前育(前橋育英高校)は、生徒数も多かったので、学校の体育館では生徒が入りきらず、卒業式は地域の会館を借りて行われていたんですよね」
「選手権で準優勝した影響で、その後は学校のなかでも『あっ、吉田選手だ』って言われたり、握手してくださいとか言われたりするようになっていたのですが、それが卒業式でドカンと大きくなったんですよね」
「ずっと写真を撮ったり、握手をしていたので、延べ人数は分からないですけど、気づいたら自分の周りに人が集まってきて、順番待ちをするかのように1列に並んでいました。ホント、アイドルの握手会みたいな感じでした」
「僕とリョウマのところは行列ができていたんですけど、シュンにはできていなかったですよー」
「ってヨシオはいつも言うんですけど、背番号10番だったリョウマとキャプテンだった鈴木徳真(ガンバ大阪)、あと僕は列ができていましたけど、ヨシオは特にできていなかったですね」
「いや、俺は(列が)できていたって。人気あったもん」
「卒業式のときに、リョウマも握手とか、写真撮影の列ができていたけど、ヨシオはそうでもなかったよね?」
「でも、それよりも僕は、卒業式で一人ひとり名前を呼ばれて返事をするときに、別のことを考えていて、『はいっ!』って返事をする声が思いっ切り裏返ってしまって恥ずかしかったことのほうが覚えているんですけどね」
(取材・文/原田大輔)