勝ち点12で4位の三菱重工浦和レッズレディースは13日、ホームに勝ち点15で2位につけるマイナビ仙台レディースを迎え、4戦ぶりの勝利を目指す。
レッズレディースはなでしこリーグ時代を含め、埼玉スタジアムでリーグ戦を開催するのは2012年以来となる。
守備陣の要となる南萌華は、レッズレディースの一員として初めて埼スタのピッチに立つ姿を頭に浮かべ、胸を高鳴らせていた。
アカデミーのジュニアユースから育ってきた生え抜きの22歳にとっては特別な場所である。なでしこジャパンとしてピッチに立つときとは、また違う感慨があるという。
「レッズといえば、埼スタ。いつもテレビで見ているスタジアムでプレーできるのはすごく楽しみ。今年最後のホームを埼スタでできることに感謝したいです」
ただ、現在のチーム状況は3連敗中と芳しくない。
3試合続けて複数失点で敗れており、前節は首位のINAC神戸レオネッサにいずれもCK、FKからゴールを割られた。
課題は明白だ。最終ラインを統率する南は、はっきりと言う。
「昨季はセットプレーからの失点はほとんどなかったので、自分たちの中で強いという意識を持っていました。でも、今季はそこが弱点にもなっているとあらためて感じました。修正していかないといけないと思います。ミーティングでも話しましたし、練習でも取り組んでいるところです」
仙台戦に向けて、守備の整備には力を注いできた。プレスの連動性を高め、ボールの奪いどころも再確認。前半は無失点に抑えて、ゲームを進めていくつもりだ。
「この3試合は早い時間帯に失点しているので、まずは守りから入ります。こちらが先制点を取れば、優位に進められますから。今季は決定機で決めきれずに自分たちで苦しい展開になっています。もっと確実なシュートが打てるように周囲が連動して動き続けないといけません」
埼スタで連敗を脱出するために気合も十分。なでしこリーグの前年王者ながら全員がチャレンジャーの気持ちを持ち、WEリーグ初年度に臨んでいる。
「上位対決とかは関係ないです。いまは目の前の試合に勝つことに集中しています」
憧れの埼玉スタジアムで負けるわけにはいかない。ファン・サポーターの前では魂のこもった熱いプレーを見せることを誓う。
「男子(レッズ)と試合が被っていない貴重な日です。普段は女子の試合を観戦に来ないファン・サポーターの人たちも足を運んでくれるかもしれません。初めて見に来てくれた人たちに、もう1度レッズレディースを見たいと思ってもらえるプレーをしたい。
私たちは戦う姿勢を見せないと。一人ひとりがアグレッシブに最後まであきらめずに走れば、きっと見ている人の心にも届くと思います。13日は埼スタで一緒に勝利を分かち合えることを楽しみにしています」
(取材/文・杉園昌之)
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