いよいよ本日開幕の、クラウドファンディングによる賞金大会『BEAT COVID-19 OPEN』。
その開幕まで一週間を切った先週末、大会会場となる兵庫県のビーンズドームでは、参戦選手たちが本番さながらの緊張感で試合形式練習を行っていた。
まずはその様子をご覧頂きたい。
こちらは、パワフルストローカーの岡村恭香(手前)対テクニシャンの加藤未唯。
フェイントで相手を釣り出し、ラケットがボールを捉える直前に打つコースを変える技アリの一打!
そしてこちら、JTAランク1位の日比野菜緒(手前)と、岡村恭香。
「どんどんコートの中に入っていく、速い展開のテニス」を標榜し、この数ヶ月間練習に励んでいた日比野。思い描いたプレーを体現したかのようなポイントだった。
そして、日比野との練習後――。
ベンチに座り、自分の考えを定着させるように、黙々とノートに文字を書き付ける岡村の姿があった。
「菜緒ちゃんは、試合のために練習をしていた。でも自分は、ワンショット、ワンショットの練習しかしてなかったんだなって……」
今まで磨きを掛けてきたショットを、試合のなかで如何に使うか――。
それは実戦に近い緊張感の中でしか体得できない感覚であり、岡村はこの日、経験豊富な二人の選手と対戦し自分に足りないものを痛感できたのだろう。
ノートに書かれたそれらの言葉が、実戦で実を結ぶか?
いよいよ、戦いの幕が切って落とされる。
日比野菜緒(ひびの・なお)
愛知県出身、25歳。最高世界ランキング単56位、複43位。単複それぞれでツアー2勝を誇る。
岡村恭香(おかむら・きょうか)
岡山県出身、24歳。今年1月の全豪OPで自身初のグランドスラム予選出場を果たす。
加藤未唯(かとう・みゆ)
京都市主審、25歳。全豪OP複ベスト4やジャパン女子OP単準優勝など単複で活躍するオールラウンダー。
【内田暁「それぞれのセンターコート」】