(写真:アフロ)
「感染状況が改善したら、観客を入れることも考えてほしい」
7月14日、こう述べたのはIOCのトーマス・バッハ会長(67)。各メディアによると菅義偉首相(72)との会談で、7月23日に開幕する東京五輪について有観客での開催を要望したというのだ。
バッハ会長は、4度目となる緊急事態宣言の発令が決定した7月8日に来日。3日間の隔離期間を経て、本格的に活動しているが“自由すぎる言動”が物議を醸している。
「入国時から到着ロビーを通らずに、送迎車でホテルに直行するなど“VIP待遇”でした。宿泊先も5つ星ホテルの『The Okura Tokyo』で、警備も厳重。厚待遇を辞退するといったこともしないバッハ会長には、新型コロナの影響で生活苦に陥っている国民や日々治療に追われている医療従事者たちの気持ちに寄り添うといった姿勢は感じられません」(全国紙記者)
来日初日に行われた政府や組織委員会、IOCなどによる5者協議では、感染拡大防止を目的に東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県で東京五輪の無観客開催で合意。その後、北海道、福島でも無観客が決定された。
いっぽうでバッハ会長が、「緊急事態宣言とはどういうものなのか。五輪にどのような影響を与えるのか、説明を頂きたい」と発言する一幕もあったという。
■感染再拡大でも有観客要望、広島訪問
新型コロナの感染が再拡大している東京都では16日、新規感染者数が1271人に達した。27日連続で前週の同じ曜日を上回り、3日連続で1000人以上を記録するなど“第5波”への懸念が高まっている。だがこのような状況でも、バッハ会長には危機意識が感じられないという。
「バッハ会長は8日に行われた5者協議の時点で、すでに“有観客”を強く要望していたようです。その上で菅首相に申し入れたのですから、感染状況など気にしていなかったということになるでしょう。隔離後は安倍前首相や菅首相、組織委員会の橋本聖子会長(56)らと会談するなど、頻繁に都内を移動しています。5月にワクチン接種の完了をアピールしていたバッハ会長ですが、“自分だけは安全”という風に受け取られても仕方がないでしょう」(前出・全国紙記者)
五輪開幕まで残すところ1週間と迫った16日、バッハ会長は被爆地・広島を訪問。各メディアによると「東京五輪・パラリンピックはより平和な未来への希望の光となると確信している」と、平和記念公園でスピーチしたバッハ会長。ここでも広島県知事が出迎え、平和記念公園は一般客の立ち入りが制限されるなどVIP待遇は変わらず。その後、原爆慰霊碑に献花し原爆資料館を見学するなど、厳重な警備のもと“多忙なスケジュール”をこなしたと伝えられている。
国内の感染状況を鑑みず自由に振る舞うバッハ会長に、ネット上では“傍若無人”と怒りが爆発寸前だ。
《こいつ、日本の感染対策を全く予習せずに乗り込んできたんだな……》
《ここまで無神経な人間が同時代に生きていることが信じられない。あまりにも感覚がかけ離れすぎている》
《どこまでも自己中》
《賢明なるドイツ人のみなさんは、日本でのこの方の傍若無人ぶりを見てどう思うのだろう》
わき目もふらず東京五輪・パラリンピックへまっしぐらなバッハ会長。国民からの冷ややかな視線には、気づいていないのだろうか。