「最後、東京で死にたくない。猫みたいに死んでいきたい。東京、本気で疲れた」
16日放送の『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)のなかで、こんな発言をしていたマツコ・デラックス(47)。
この放送の最後に、番組の降板が突然発表されたことが波紋を呼んでいる。
「マツコさんほどの功労者だったら、普通は卒業を記念しての特別コーナーなどが設けられるものですが、それもナシ。放送の最後に『マツコさんは今日の放送でホンマでっか!?TVを卒業します。およそ10年間本当にありがとうございました』とテロップをナレーターが読み上げたのみ。自らの口で降板を語ることもなかったため、さんまさんやスタッフとのトラブル説も流れるほどでした」(テレビ誌記者)
冒頭の意味深な発言を含め、あまりの急展開にネットではマツコの芸能界引退説まで報じられた。いったい今回の異様ともいえる番組卒業の背景には何があったのか。
現在も『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)や、『マツコの知らない世界』(TBS系)、『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)など、7本のテレビレギュラーを持つマツコ。
誰もが知る超売れっ子だが、マツコ自身は少し前から芸能界を引退する計画を語り始めていた。
1月20日放送の『月曜から夜ふかし』では、ともにMCを務める村上信五(38)に「あと10年ぐらい、ちょっと、ほそぼそと頑張って、ちょっと国外に脱出しようと思ってるの」と。
マツコ自身は芸能界の“引退年齢”を60歳ほどに設定していたようだ。
「マツコさんは数年前から“義理”で仕事をしている部分があります。新番組のオファーは絶えないですが、そのころから“新規の番組は受けない”と宣言していました。縁を大事にする人なので、テレビに出始めたころに知り合ったテレビマンとの関係を重視し、またそうした縁がないと基本的に仕事をしなくなっているようです。
逆にマツコさんがテレビに出るきっかけとなった『5時に夢中!』(TOKYO MX)はローカル局の番組ということもあり、いまのマツコさんにとっては、かなり安めのギャラですが、現在も出演し続けているのです。これは義理を感じているためでしょう。
さらに、1年ほど前から出演番組を絞ることを考えていたようで、“各局1本まで”を目指しているとか。そのため“冠”ではなく、自分がメインMCではない『ホンマでっか!?TV』の卒業を決めたそうです」(テレビ局関係者)
マツコの“義理”について、明石家さんま(65)は9月26日放送の『MBSヤングタウン 土曜日』(MBSラジオ)でこう明かした。
「マツコは実は5年前から『ホンマでっか』辞めたかった。でも、俺との付き合いもあるし、一生懸命5年も頑張ってくれたんですよ」
ここ最近のマツコはネガティブな発言が目立っていた。その心象にはコロナによる影響があるようだ。
今年5月23日放送の『マツコ会議』では次のように語っている。
《(仕事を)やらざるをえない環境を作ってやっている部分があると思う》
《いつ切られてもおかしくないわよ。それは同じよ、みんな同じ》
《そんな私はね、千葉の山奥にでも土地を買ってね、加藤登紀子さんのような農園を作ってね。何もかも未練はなくなりました。私はもう、いつでも山ごもりをする準備はできております》
古くから付き合いのあるテレビ関係者は、そんなマツコの変化をこう語る。
「確かに以前のような元気はありませんね。よくも悪くも本番前の打ち合わせでは、スタッフを笑わせたり楽しませてくれるのがマツコさんでした。でも、いまではテンションが低いこともしばしばです。
いちばん深刻だったのは新型コロナの感染拡大で非常事態宣言が出され、タレントにも“ホームステイ”が徹底された4~5月でした。マツコさんもこのときは自宅から一歩も出なかったそうで、本気で芸能界からの引退も考えていたと聞いています」
しかし、この知人に言わせるとコロナ以前からマツコは自身の引き際を考えていたという。
「マツコさんはタレントになりたくてなったわけではないんです。もともと芸能界に未練もないなかコロナ禍となり、想定していた“引退する年齢”を60歳ごろから数年後へと繰り上げたようです」
マツコは、芸能界引退後はどのように過ごしていくつもりなのか。キーワードは、“保護猫”だという。
7月31日、放送の『マツコ&有吉 かりそめ天国』では、次のように語っていた。
「私もずーっと(猫の)動画とか見てるから頭でっかちになってきちゃってさ。完璧に育て方とかがわかるのよもう。だからもうシミュレーションすればするほどさ、(芸能界で生きる)私の生活に落ち度がありすぎてさ……飼えないんだよね」
そんな言葉からは猫への愛と、多忙なままでは猫を飼うことができないという葛藤がみられた。
また、昨年9月5日放送の『夜の巷を徘徊する』(テレビ朝日系)では、こう発言している。
「保護猫の里親を探したい。そうなったら、芸能界もう忙しくてやってられないの。(中略)市区町村から捨て猫とか預かって育てて、で、里親に出すっていう……ね」
自ら飼うだけでなく、捨て猫保護活動を行う夢があることを打ち明けていた。
50代は猫たちのために生きる、そんな希望を胸に秘め、マツコは芸能界での最後の“義理”を果たそうとしているのか――。
「女性自身」2020年10月13日号 掲載