◆横浜DeNA0-4広島
今シーズン最後のマツダスタジアムでの一戦で、横浜DeNA梶谷=資料写真=のバットから快音が響かなかった。好調を維持する背番号3の連続出塁が6試合で止まると、打線はくすぶったまま。今季7度目の零封負けで、勝負と踏んでいた9月の負け越しが決まった。
流れを引き寄せるチャンスは2度あった。
京山が四球を選び、戸柱が左前打でつないだ三回無死一、二塁。梶谷は3ボールと有利に立ちながら、最後は7球目を見逃し三振。五回2死二塁でも変化球で力ない二ゴロに打ち取られた。攻守で輝いた前日27日の再現とはいかなかった。
それでも、ここまで重ねた数字は堂々たるものだ。3シーズンぶりに規定打席に到達。9月は球団タイ記録にあと1に迫る6試合で猛打賞を記録する。さらに、球団記録に並ぶ月間最多の41安打まで4本を残すのみだ。残り2試合で快挙を成し遂げてもらいたい。
プロ14年目の32歳には北、高森という同じ高卒の同期がいた。その2人がそれぞれユニホームを脱いだ際、「自分が一番早くクビになると思っていた。あいつらの分までやらんと」。淡泊な打撃で失望を買った過去もあるが、今季は慎重に四球を選ぶなど、持ち前の負けん気と意地で変われることも証明している。
ラミレス監督も言う。「やっと今年持っている能力を出してくれた。驚くべきものではない」。一流の証しである3割打者として、初めてシーズンを終えられるか。
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