◆横浜DeNA7-8阪神
投手陣が踏ん張れず、引き分けを挟んで6試合ぶりの黒星だ。首位追走への勢いをそがれかねないが、右の新たな「和製大砲」の誕生に光明を見いだしたい。横浜DeNAのルーキー蝦名がプロ初安打を、鮮やかな初本塁打で飾った。
3点ビハインドの四回1死。代打で登場すると、ベテラン左腕の能見から粘った。フルカウントからの8球目、内角低めの直球は決して甘くはなかったが、完璧に捉えてバックスクリーンにぶち当てた。「チャンスをもらっても、なかなか結果を出せず苦しかった。最高の結果でうれしい」。特別な潜在能力を感じていたラミレス監督も「初めてのヒットがホームランとはすごいこと」と目尻を下げた。
青森商高から青森大を経てドラフト6位で加わった。郷土の青森を愛し、入寮時に黒ニンニクを持ち込み、今も毎日欠かさずに食べている。キャンプでは左手薬指を骨折。滑り込みで開幕1軍入りも、代打で1打席に出場しただけで、2軍再調整を余儀なくされた。
その時間を無駄にはしなかった。動画解析で筋力が弱いと分かった股関節を重点的に鍛え、体重も3キロ増やした。4試合連続で計5本のアーチを放ち、猛アピールで再昇格を勝ち取った。プロ4打席目でついに、強打者への一歩を踏み出した。
「青森の野球少年、少女の憧れになりたい」。入団時にそう誓った背番号61。最高峰の舞台で放った第1号の記念ボールは両親へ贈る。ハマの新星はこれから輝きを増していく。
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