開幕から27試合を終えて4勝19敗4分け、勝率1割7分4厘でリーグ最下位に沈む横浜DeNA。生え抜きの三浦監督への期待と願いを込め、開幕前の順位予想で優勝に推した高木由一氏が低迷するチームへの思いを熱弁し、戦う姿勢についても提言した。
序盤は外国人選手が不在で戦力的に劣り、苦戦するとは思っていたが、ここまでとは想像だにできなかった。
開幕直後は桑原、関根の1、2番コンビ、ルーキー牧の活躍で昨季までとは違う、新しい風が吹いていた。牧は腕の使い方が器用で広角に打てるし、大学日本代表で4番を務めた経験もあるので責任感も強そうだ。
これなら外国人選手がいなくても大丈夫と思ったが、チームが勝てず打線が日替わりとなり、調子を落としていった。
打者にとって打順は大事なところ。特に2番打者の役割は大きい。何も作戦がなかった昨シーズンから、今年は1点を取る野球を目指している。ただ、打つだけでは駄目なのだから、首脳陣は適材適所を見極めないといけない。
25日の阪神戦でも残念なシーンがあった。1点を追う七回に先頭の乙坂が四球で出塁した。相手のまずい守備もあって、2番倉本のエンドランは右前打となったが、あそこは是が非でも1点を取りにいく場面。送りバントをすべきだった。
しっかりと送るところは送る。勝ちに執念を燃やす野球を展開してほしい。巨人は4番にだってバントを命じる。ベンチが腹をくくって(1点を取る野球を)貫かないと、チームは変わらない。
オースティンとソトはキャンプ、オープン戦の準備期間を経ずに、結果を出せるほど日本球界は甘くはないと感じているだろう。オースティンは復調の気配が漂っているが、ソトはストレートに対するタイミングがまだ取れていない。もう少し時間がかかる気がする。
自分が現役の頃も「横浜銀行」と揶揄(やゆ)され、一生懸命やっていても覇気がないと言われた。状況を打破する特効薬はない。選手もベンチも原点に立ち返るしかない。
主将の佐野の打席からはテレビ画面越しでも集中力や闘争心が伝わってくる。そういう姿をみんなで追ってほしい。
大輔は良い試練を与えられている。失敗とどう向き合って、どう生かしていくのか。監督は最悪を想定し、最善の策を練るもの。最後に決断するのは監督であり、実行する選手たちを信じないといけない。
優勝予想したけど、こんなに負けるメンバーではない。必ず挽回してくれると信じている。
たかぎ・よしかず
1971年にドラフト外で大洋(現横浜DeNA)に入団。プロ16年で957安打、102本塁打、463打点。87年に引退後、1軍の打撃コーチなどを歴任。98年には「マシンガン打線」の生みの親として、日本一に貢献した。愛川町出身。72歳。
外部リンク