「『おっ、調子いいねー』とか、短い言葉ですけど、自分の感覚とマッチすると、うれしくなって、気持ち良くなるんです」
「(3節のセレッソ戦以降)右サイドに移ってからやりやすさは感じていますが、僕の中では試合を重ねるたびに良くなっている感覚はなくて、むしろキャンプのときからコンディションはずっといいんです。ただ、スタメンの座を掴めていない現状があるので、今はそこをどう乗り越えていくかを常に考えています」
「そのモチベーションがなくなれば、ピッチで戦う資格はないと思っています」
「悔しさを抱えていても、自分のやるべきことはやらないと。気持ちが落ちそうなときにどれだけ頑張れるかが大事だと思っています」
「自分の中では『グー』と『パー』と表現しているのですが、力の入れ方やタイミングを考えるようになりました。力が入る『グー』は少し前の僕のように相手の足に当たっても、推進力でぐいぐい抜いていくタイプ。力の抜けた『パー』のイメージは、緩急をつけてするする抜いていく三笘薫選手や汰木康也選手のようなタイプ。
『100』から『110』には上げられませんが、『70』から『100』は上げられるし、そっちのほうが絶対に抜けるんですよ。正直、『グー』一辺倒では疲れてしまうので……。状況に応じて『グー』と『パー』の使い分けは必要だなって。まだまだですが、トライしているところです」
「パワーを使わず、周りを見ながらボールを運ぶことができました。最後にギアを上げて、シュートまで行けたのは大きかったですね。ここ数年、ドリブルの回数自体は減っていますが、湘南戦のように長い距離を運ぶ回数は増えてきたのかなと」
「『ドリブルが減ったよね』と言われるのは嫌ですけど、周りが見えるようになっているんだと思います。僕の良さが消えていると言う人もいますが、長いサッカー人生を考えたとき、今の選択は間違っていないと思っています。ポジティブにとらえています」
「たぶん、あのときと同じようなゴールを決めるのは、もう難しいと思いますよ。今の自分が求めているのは、異なる種類のドリブルなので。人のイメージがそう簡単に変わらないことは理解しています。今後、結果を出したときに『昔の関根に戻ってきた』という声が聞こえてきても、僕は気にしない。昔と今は180度くらい違いますから」
「やっと一緒にできましたから。それなのにベンチで座っている姿ばかり見せたくない。自分がスタメンで出場し、ゴールを決めて、チームを勝たせているところを見せたい。それが、これまでのお世話になった人たちへの恩返しになると思っています。ノブさん(池田コーチ)には僕のかっこいい姿を見てほしい」
「結果を残して、またチームの中心になれるようにここから巻き返していきたい」
(取材・文/杉園昌之)