「悔しいですし、満足していないです」
「自分も含めて、浦和レッズに関わる全員が満足していないと思います。ファン・サポーターの皆さんもそう思っていることは、僕ら選手たちにもしっかりと伝わっています。
「このエンブレムを背負って戦っている以上、1試合1試合の重さは分かっているつもりです。ファン・サポーターから厳しい言葉を投げかけられるのも、それだけ応援してくれている証だと、自分は思っています」
「自分自身もプロ2年目で、チーム内での立場としても、試合に多く出場していたなかで、結果を出し続けることができなかった。チームがいい流れで戦えているときは、自分のプレーも良かったと思いますが、チームがうまくいっていない時期や流れに乗れていないときは、自分自身もいいパフォーマンスを発揮することができなかった。そこに対しては力不足を感じています。
「良いときだけでなく、悪いときこそ、みんなを巻き込むくらいのプレーができるかどうか。そうした存在に自分がならなければいけないと思っています」
「(酒井)宏樹くんはみんなを巻き込んでプレーできる選手だと、近くにいて感じます。宏樹くんのプレーによって、僕らも勢いを増していく。そういった選手と一緒に練習し、試合を経験することで学べることがたくさんあります。宏樹くんくらいチームに影響力を及ぼせる選手になりたいと、今は思っています」
「昨季と比べると自信がつきました。思い切りよくプレーできているので、それが今年は個人的な結果にもつながっていると思っています。守備の部分でも、ここで自分がボールを奪えるという感覚が増えていますし、攻撃でもチャンスに絡む回数は増していると感じています。
「自分がこれまで取り組んできたことが通用した部分もあれば、もちろん通用しなかったところもありました。あの試合は自分自身でチャレンジすることしか考えていなかったので、できた部分により手応えを感じて、自信がついたんです。それ以降、ボックス・トゥ・ボックスでプレーできると言ってもらえている自分のよさが武器として、さらに出せるようになりました」
「パリ・サン=ジェルマン戦で手応えを感じて、そこからACLの決勝ラウンドにも入り、本当にサッカーをすること、試合をすることが毎日、楽しくて、一気に自信がついたところがありました」
「みんな試合に勝ちたいと思ってプレーしているので、うまくいっていないときには意見がぶつかったり、すれ違ったりするのは当たり前のことだとも思っています。特にスコア的に負けているときは、みんな熱くなっていたり、冷静さを失っていたりするときもあります。そうした雰囲気や空気をピッチのなかにいて感じているのに、自分がそこに対してアクションできているかといったら、やっぱりできていない。そこが自分の物足りなさ、満足できていない理由のひとつです」
「今はまだ、そこを人に委ねてしまっているところがありました。今シーズンでいえば(岩尾)憲くんと中盤で組むことが多かったので、憲くんがチームに対していろいろと言ってくれることや、まとめてくれることに任せてしまっていました。でも、本当はそういった役割を自分も担っていかなければならないですし、やれるようになっていかなければいけないと思っています」
「今季はもう残り2試合しかないので、この2試合は絶対に勝利で終えたい。F・マリノスについては目の前で優勝されたくないですからね。すべての日程を終え、シーズンを振り返ったとき、この2試合の結果次第で、自分たちが抱く手応えや印象も大きく変わってくると思っています。何よりF・マリノスに勝ってホーム最終戦につなげたいと思います」
「あの声援のなかで、自分がこのユニフォームを着て、埼玉スタジアムのピッチに立つことは夢だったので、本当にうれしかったです。初めてあの声援を聞いて戦ったときには、こんなにも心強いものなのかと思いましたから」
「毎試合、勝ちたいと思ってプレーしていますけど、あの声援を聞いて、より強く結果を残したいと思うようになりました。一緒に戦ってくれていると感じましたし、だからこそ試合に負けたとき、プレーしている自分たちが悔しいのは当たり前ですけど、ファン・サポーターも悔しがってくれるんですよね。浦和レッズとは、選手もファン・サポーターもともに戦っていくようなチームなんだと思います。それが浦和レッズなんですよね」
(取材・文/原田大輔)