「子どもの頃に憧れたＪリーガーを教えてください」
「世代的に同じ沖縄出身の我那覇和樹さん（川崎フロンタ―レほか）、赤嶺真吾（ベガルタ仙台ほか）さんの顔はぱっと頭に浮かぶのですが、憧れていたのは中村俊輔さんと遠藤保仁さんですかね」
「日本代表、ガンバ大阪の遠藤さんのプレーを見た次の日は朝からワンタッチパスの練習をして、自陣の深い位置から相手最終ラインの裏を狙うロングパスを蹴ることもあったかな。小学校の4年生、5年生くらいが一番、はまっていたと思います。当時、深夜のサッカー番組『やべっちF.C.』、『スーパーサッカー』は毎回のように録画していましたから」
「ベッカムみたいなモヒカンヘアにしてください」
「小嶺先生のもとでは、人間力を養ったと思っています。サッカー選手として、人として、何よりも大事なことを学びました。高校を卒業してから余計にそう思います」
「闘莉王さんのプレースタイルはすごく好きでした」
「テレビでずっと見てきた遠藤さんがいる、と思いました。めちゃくちゃうまくて……。ボランチの位置からずっとセンターバックの僕を見ているんですよ。うかつにラインを上げられなかったです。プロで長く活躍している理由が少し分かりました。僕もプロになって、初めて実感できました」
『マイヒーロー』との縁は、不思議なものである。2022年には映像で何度も見た闘莉王がかつて所属した浦和レッズに加入。「まさか、自分が来ることになるとは思わなかったですよ」と笑う。まだ思うように出場機会はつかめていないが、静かに闘志を燃やしている。
「ピッチの上で表現する時間がないのは、今すごく悔しいです。それでも、腐らずにプロとして常に見られていることを意識し、普段の行動から心がけています。プレーする時間をもらえれば、活躍する自信はあります。（浦和時代の）闘莉王さんを彷彿とさせるようなプレーを見せたいです」
（取材・文／杉園昌之）