「周りの試合結果に関係なく、自分たちが試合に勝てばリーグ優勝を決めることができます。ただ、チームのみんなも、そこへのプレッシャーは感じていないですし、次の試合に勝ちにいくことだけに集中しています。勝って優勝を決めて、ホームの浦和駒場スタジアムに戻ってきたいと思っています」
「さらにその前節(第18節)が(2位の)INAC神戸レオネッサ(I神戸)との試合でした。そこを全力で戦い2-1で勝利することができ、試合後にみんなで『次の試合が本当に大事になる』と話していました。その言葉どおり、気を緩めることなく、(千葉Lに)3-0で勝てたことはよかったと思っています」
「一番はメンタル面の強さにあると感じています。もともと技術の高い選手たちが揃っているので、技術面以上にメンタル面が成長したことで、昨季よりもチーム全体として逞しくなったように思います。
「今、パッと思い浮かんだのは、日テレ・東京ヴェルディベレーザ(東京NB)との決勝です。一時は0-3になりながら、3点を奪い返して追いつき、最後はPK戦で勝利することができました。
「試合に出場している選手は、昨季とそれほど変化はないように見えるかもしれませんが、プレーしているポジションが違う選手が多くいます」
「そのため、特にシーズン序盤は噛み合わないところやスムーズにいかないところもありましたが、試合を重ねていくなかで徐々にお互いのよさを出せるようになってきました。得点が取れるだけでなく、それがさらなる自信になり、試合に勝てる要因になっていたように感じています」
「前に速くて強い選手が多くいるので、今まで以上にバランスを意識してプレーしています。私自身が前へ前へという姿勢を出さなくても、他の選手たちが前への推進力を発揮してくれる。だから、私は『ちょっと、そっと見ておこうかな』(笑)みたいな感じで、バランスを取っています」
「実は、守備のバランスが良くなったと感じるようになったのは、ここ数試合なんです。それまでは守備が安定しているという実感を得られていなかったのですが、最近は守備でも手応えを感じられるようになってきました。『これは失点することはないぞ』って」
「大切なのは、内容よりも試合に勝利することなので、勝ってホームに帰ってきたいと思っています。その一方で、内容も伴わなければ見ている人に納得してもらうことはできないとも思っています。
「三菱重工浦和レッズレディースは、毎年、優勝を期待してもらっていながら、昨季は獲ることができなかったので、今季、自分たちがタイトルを獲ることで喜んでもらえるのではないかという思いがあります。優勝することでたくさんの人たちに恩返しすることができたらと思っています」
「毎試合、本当に熱い応援をしてくれています。今年に入ってからは声出し応援が解禁になり、今まで以上にパワーをもらえていますし、こんなにも多くの人に応援してもらえているのかと、改めて実感するんです。だからこそ、その人たちのためとかではなく、その人たちと一緒に喜びたいという気持ちが強いんです」
(取材・文/原田大輔)