22年、雪が積もった東京駅(写真:時事通信)
《一人暮らしで電気代3万2千円って何?! 湯沸かし器みたいな加湿器は連日使ってたけど それがあかんのかな》
1月18日、元「アジアン」の馬場園梓(41)はツイッターで電気代の高騰を嘆いた。同日、タレントの上原さくら(45)も《電気代たっか!!!》とブログを更新。
《ほんとに値上がりしてるんですね…ガス代もいつもより高くて、電気と合わせると約5万円でした。体調不良で寝込んでしまった時間が結構あって、そうすると普段日中は使わない寝室のオイルヒーターを使うから、それが高くついたのでしょうか》
本誌読者でも、電気代の請求書を見てショックを受けた人は多いのではないだろうか。光熱費の高騰で日本中から悲鳴が上がっているが、追い打ちをかけるように大寒波が予想されている。気象予報士の菊池真以さんが解説する。
「1月21日時点の予測で、寒さのピークとなる25日は、東京や大阪など各都市でも最高気温が5度以下、最低気温が氷点下になり、例年の気温を大きく下回る見込みです。寒波は今週末には終わるとみられています」
日本列島が“冷蔵庫より冷たい”寒気に包まれる。
「気象庁からは沖縄を除く北海道から九州までの全域に『低温に関する早期天候情報』が発表されています。これは、10年に1度程度の著しい気象現象が起こる可能性が高まっているときに、注意を促す意味で出されるものです」(前出・菊池さん)
そんな“最恐寒波”の襲来で、ますます電気を使ってしまいそうだが……。
「氷点下では、就寝中も暖房器具が必要になります。電気消費量が上昇することを覚悟しないといけないですね」(前出・菊池さん)
家計へのダメージはどの程度になるのだろうか。ファイナンシャルプランナーの水野崇さんが順を追って説明してくれた。
「電気代の上昇は、すでに昨年から大きな話題になっていますね。主な要因は『燃料費調整単価』の高騰です。この1年で、電気代が1カ月につき5千円から1万円ほど高くなっているご家庭が多いのではないでしょうか」
これは、発電に必要な原油や天然ガスなどの燃料価格の変動で決まる値段のこと。ウクライナ情勢や円安によって、昨年2月ごろからじわじわ上昇しているという。
「もともと『燃料費調整単価』には上限があり、一定額以上は電力会社が負担してきました。しかし燃料の調達コストが高騰したことから、上限を撤廃する会社が続出したのです」(前出・水野さん)
■寒波を乗り越えれば希望は見えてくる
いわば“限界突破”した燃料費が電気代に反映されているというわけだ。そこに大寒波の影響が加わると、いったいどこまで上がってしまうのか。
「関東地方にある4LDKの一戸建てで暮らす4人家族を例に考えてみましょう。寒波の期間はさまざまな場面で電力使用が増えますが、ふだんは就寝時には暖房をつけていなかった家庭が、寒波に耐えるために就寝時にも暖房を使用するなどして、1日あたりの電力使用量が仮に30キロワットほど増加するとします。
寒波が1週間ほど続けば、生活スタイルによっては、電気料金が1万円以上増額することもあるでしょう」(前出・水野さん)
北海道などの雪国では、さらに高額になることもあるという。
「消費電力の多い蓄熱暖房機や電気給湯器を使っていたり、オール電化の家庭などでは、1カ月の電気代が10万円を超えたという話もあります。寒波の影響があれば、それがさらにかさむのです」(前出・水野さん)
厳しい打撃だが、希望がないわけではない。
「2月から政府による一般家庭への補助が始まります。電力会社による新たな値上げ申請も行われているため今後も予断は許しませんが、2月からは多少改善する見込みです」(前出・水野さん)
節電は重要だが、寒波の影響はそれだけではない。前出の気象予報士・菊池さんが見落としがちな注意点を教えてくれた。
「氷点下4度になると水道管の凍結が起こるといわれています。ふだんの冬は水道管が凍らない地域でも、十分な注意が必要です」
かつてない冬のサバイバル、寒波が早く過ぎ去ることを祈るばかりだ。