「今年になって、電気料金は毎月、前年比20%前後の値上げ。昨年、月額1万円だった世帯だと、使用量は変わらないのに請求は1万2000円を超えるたいへんな事態です」
こう話すのは、節約ミニマリストとして多数の著書があるMikyan(みきゃん)さん。30代で夫と1児がいる彼女の家庭だが、以前から月々1万円を超える電気料金の負担が悩みの一つ。そこで2年ほど前から、固定観念で「必要」と思い込んでいたさまざまな家電類を手放してみることにチャレンジしてきたというーー。
「ないなんてありえない!」。そう思って使い続けてきた、キッチンやリビングの家電の数々。もしもそれらをなくすことで、生活の質を落とさず、高騰している電気代をカットできるなら……!
「いくつか家電を手放した結果、電気とガスを『楽天でんき』に統一して安くなった分も含め、月に3000円は電気代が安くなったと実感しています」
今回紹介するのは、Mikyanさんが実際に使うのをやめてみて困らなかったばかりか、逆に生活の質が改善したという5つの家電。さっそく彼女のガイドで、その手放し方を教わっていこう。
■炊飯より保温のほうが電気代はかかる。日常の電気の無駄を見直す
【1】電気炊飯器(5合炊き)を手放したら…
炊飯電気代1回約5円+保温約0.5円(1時間)×24時間=1日約17円
約17円×30日=月額約510円→年額約6120円の節約
「私の場合、電気炊飯器の保温機能に1日中頼りっぱなしでしたが、ご飯を1回炊くのと、半日保温するだけでも、保温のほうが電気代がかかるとは最近まで知らなくて。そのうえ、そのまま保温し続けて、ご飯が黄色く変色してだめにしてしまうこともしばしば。一念発起して、私が独身時代から持っていた土鍋でご飯を炊いてみることに。たしかに、タイマーをセットして、ガスコンロの火加減を調節する手間はかかりますが、夫も子どもも『ご飯がおいしくなった』と。そこで、毎朝土鍋でご飯を炊き、余ったら冷凍する方式に変更しました」(Mikyanさん・以下同)
ご飯は一度冷やすことででんぷんの質が変わり、ダイエット効果があるなど、土鍋炊きにすることで電気代の節約だけでなく、一石三鳥のメリットがあったという。
【2】電気ケトル(0.5リットル)を手放したら…
湯沸かし電気代1回約1.5円。1日に4回使用。約1.5円×4回=約6円
約6円×30日=月額約180円→年額約2160円の節約
もともとコーヒーや紅茶が大好きで電気ケトルが独身時代から手放せなかったというMikyanさん。
「そのつどお湯を電気で瞬間的に沸かすタイプは、ガスでお湯を沸かすのに比べて電気代がばかになりません。やかんを使って沸かして入れたお茶を魔法瓶型の水筒に入れて飲むことにしました」
これだけで電気代は年間2000円以上安くなる計算だ。
【3】ポップアップトースター(2枚用)を手放したら…
トーストを焼く電気代1回(約3分)約1.5円。朝2回使用。約1.5円×2回=約3円
約3円×30日=月額約90円→年額約1080円の節約
「朝、トースターと電子レンジをいっぺんに使うと、家のブレーカーが落ちるんです。正直、トースターがそんなに大量の電気を食っているなんて、考えもしませんでした」
そこで、ガスコンロの魚焼きグリルを使ってトーストを焼いてみたところ、トースターよりふっくらと焼け、おいしかったとか。
「トースターは意外とスペースをとっていたので、キッチンまわりがすっきりしたことも発見でした」
【4】電気カーペット(3畳分)を手放したら…
1時間あたり電気代約6.6円。1日12時間使用。約6.6円×12時間=約80円
約80円×30日=月額約2400円→5カ月使用約1万2000円の節約
「わが家の電気代節約の決め手はこれ。子どもがリビングのフローリングに寝転がるので、冬は電気カーペットがないとかわいそうだなと、3畳用のものを使っていたのですが、ほかの暖房器具と違い、音がしないからつい消し忘れ、一日中つけっぱなしということも多くて」
そこで2年前、ホームセンターで、ジョイント式のマットとアルミ断熱シートを3畳分購入。
「この上に、ニトリで見つけたNウォームラグという敷物を敷いたら、まったく電気カーペットがなくても平気でした。初期投資はそれなりに必要ですが、それから毎冬、電気代を節約できるようになり、節約金額が大きかったです」
【5】液晶テレビ(’09年生・32型)を手放したら…
1時間あたり電気代約3.4円。1日8時間視聴。約3.4円×8時間=約27円
約27円×30日=月額約810円+待機電力月額約5円→年額約9780円の節約
「ダイニングのテレビはかなり古い(’09年製)、32型。1時間当たりの消費電力も待機電力も大きくて。もうドラマはネット経由でパソコンやタブレットで見ることにして、スマホにはワンセグのアプリを入れれば、地震速報などへの対応も万全です」
テレビを見ながら夕食を食べていたのが、なくしたことで家族の会話が増え、これもメリットに。
「この5つの家電を手放しただけで、年間の電気代は3万円以上がカット。思い切ることで、家の中がすっきりし、気持ちも晴れやか。家族の会話が増えるなど、本当に手放してよかったと思うはずです」
手放すことで、節約だけでなく、生活が豊かになるMikyanさんの“家電断捨離”。あなたもトライしてみてはいかが?
【PROFILE】
Mikyan(みきゃん)
節約ミニマリスト。著書に『2022年はコレは断捨離!手放して正解だったモノ6選』(節約×ミニマリスト生活実践社)がある