歌舞伎役者の市川海老蔵による発信が、物議を醸している。先日は、海老蔵自身が3日間「水だけ」生活を送り話題を呼んだが、今度は娘・麗禾ちゃんも断食したことが明らかになったからだ。
6月11日から12日にかけて更新されたブログでは、息子の勸玄くんについて《今日ブロッコリーで過ごすそうです》と報告。続く記事では、娘の麗禾ちゃんについて《麗禾は本日は断食するそうです、、まじか!? 私の影響!?》と驚きを見せた。海老蔵は《無理なくね》と様子を見守ることにしたという。
結果、麗禾ちゃんは36時間もの間、水だけで過ごした。12日のブログでは、《36時間ぶりの食べものですって、 すごい意志!! 尊敬します。》と娘を褒めちぎっている。
海老蔵が断食している姿を見て、娘もやりたいと言い出したのだろうか。しかし、ネット上では、子供の身を案じ、海老蔵を批判する声が後をたたない。
《成長期の子供に断食させるなよ……そして、それを褒めるな……》
《本人の意思でやってたとしても、親はそれを止めなきゃ…親は食べなくてもいい身体になってるけど、子供じゃ話は別だよ》
《海老蔵さん、子どもの意思を尊重するのは大切だけどダメなことはダメで言い聞かせないと 育ち盛りの子供に断食させちゃいけないでしょ》
はたして、成長期の子供が断食してもいいものなのか。『「空腹」こそ最強のクスリ』の著者で、生活習慣病を専門とするあおき内科・さいたま糖尿病クリニックの青木厚院長は、「子供が36時間も水だけ、というのは明らかに危険です」と警鐘を鳴らす。
「海外の論文には、10歳の子供が安全に実施できる断食時間は24~36時間というデータがあります。麗禾ちゃんの場合はギリギリですが、そもそも子供の断食というのは、まったくおすすめできません。
イスラム教徒には、“ラマダン” という1カ月間の断食をおこなう月がありますが、子供は免除されているくらいです。
というのも、人間の脳神経のエネルギー源は、ブドウ糖のみです。子供は、大人よりも相対的に脳が大きいため、大人よりブドウ糖依存度が高い。しかし、体が小さいため、大人よりもブドウ糖を貯蓄できる量は少なくなります。そのため、断食によって、大人より簡単に低血糖症になりやすいんです。
低血糖は、脳神経に致命的なダメージを与えてしまう場合もあります。今回は幸いにも何も起きなかったようですが、他のお子さんたちは、決してマネしてはいけません。断食は、心身ともに成熟した大人が実施するものです」(青木院長)
正しい知識のもと、子供を止めるのも親の役目だろう。
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