名門・成城学園初等学校「モンペクレーム」で人気教師が退職! 保護者説明会で理事長に怒号が飛んだ
「偉そうな態度はやめてください」とたしなめる保護者を無視し、腕を組んでふんぞり返るのは、3月31日まで学園全体のトップである理事長職にあった、油井(ゆい)雄二氏だ。
「2022年4月25日、X組のBくんら、児童数人が『帰りの会』の開始前に騒いで、下校の準備をしませんでした。A先生は、職員室に行く前に『先生が戻ってきてもふざけていたら怒るよ』と注意しました」
「A先生は、これではほかの児童の下校が遅くなると考え、Bくんの両足を引っ張って教室の外に出し、『準備ができたら教室に戻るように』と指示しました」(同前)
「その後も、Bくんは通常どおり登校し、6月の遠足でもA先生と楽しげに接していました。ところが、6月末から突然、欠席しがちになり、7月7日、医師であり、成城学園の校医の一人であるCさんから、BくんのPTSD(心的外傷後ストレス障害)の診断書が学園に提出されたのです」(同前)
「Bはすごくコンフューズ(困惑)しています」
「Cさんは、モンスターペアレントとして先生の間で有名です。Cさんとの面会の際は、多くの先生がクレームに備えてスマホの録音機能をオンにして臨み、その記録は多数、初等学校に残っています」(前出・学園関係者)
「大事な子供さんを預けている担任が記憶障害に悩んでいるとしたら、(親は)不安な気持ちを拭い去れない」
“調査ゼロ”で認定されたA教諭の「体罰」行為だが、同月の部長会議では、渡辺校長の説明があいまいだったため、校内でのハラスメント調査委員会の設置は見送られた。
「普通の保護者は、理事長に面会など、そうはできません。校医であるCさんだからできたのでは」(X組の保護者)
「油井理事長も渡辺校長同様、A先生を調査することなく、担任交代をCさんに約束しました」(前出・学園関係者)
「A先生がBくんを怒ったことは子供から聞いていましたが、保護者たちはおおごとではないと考えていて、Cさんが担任交代を求めていることは誰も知りませんでした。A先生は、穏やかに子供に寄り添ってくれていました。日記に押してくれる自分の似顔絵入りのハンコを、クラスみんなが楽しみにしていました」(X組の保護者)
「1年生のクラスで、騒いだり歩きまわったりする子供がいて、学級崩壊状態でした。Bくんもそのクラスにいて、担任の先生や、後任の先生はうまく指導できなかったんです。A先生は、クラスを立て直そうと、必死にがんばってくれていました」(同前)
「しかし、油井理事長の通り一遍の説明に保護者は激怒し、一度はほぼ全員が退席しました。その後、待機していた他学年の保護者が、油井理事長の制止を聞かず会場に入り、100人近くがA教諭の退職撤回を求めたのです」
「“行きすぎた行為”が本当に体罰に当たるものだったのか? 児童の側に問題がなかったのか、精査したのか?」
「X組の児童や保護者である私たちには、A先生は恩師なんです。こんな扱いを受けて、黙っていられません」
「退職で、子供たちはパニックになって泣いています。ひとりで帰宅させるのが不安です」
「(A教諭の退職は)それはもう、妥当だと思ってるわけですけど。学校のほうへ連絡をください」
「Cさんのケースは、モンスターペアレントに該当する可能性が高いと思います。しかし、学校側の対応のほうにこそ、問題があるようです。A教諭の行為は、児童に何度注意したのか、児童がそれに従わなかった時間、別の対応はできなかったのか、などの総合的な判断をする必要があると思います。モンスターペアレントに迎合する形で、担任を交代するのは人事権の濫用だと思いますし、“追い出し部屋”への異動打診は、退職を強要するパワハラに該当する可能性が高いといえます」