野田聖子・地方創生相の夫が、過去に暴力団員だったなどと報じた週刊文春と週刊新潮を相手取り、両社に1100万円の損害賠償を求めた2件の訴訟。最高裁は、夫側の上告を退ける決定を出し、波紋が広がっている。
「問題になっていたのは、『週刊文春』『週刊新潮』の2018年8月2日号の内容です。『文春』は『金融庁「圧力」疑惑の張本人 野田聖子〈総務相〉を操る元暴力団員の夫』とタイトルを打ち、野田氏の夫が野田氏に依頼し、仮想通貨関連会社と金融庁の面談を設定させ、金融庁に圧力をかけたと報じました。
東京高裁は、判決のなかで『夫が野田氏の名前を使ってどう喝行為をした』といった記述には名誉毀損と認めましたが、夫が元暴力団員であることや、野田氏に頼んで面談を設定したことについては、『真実と信じる相当の理由がある』としています。結果、文藝春秋に55万円の支払いを命じた高裁判決と、新潮社への請求を棄却した高裁判決が確定しました」(政治部記者)
判決をうけ、野田氏は8月10日にブログを更新し、《最高裁の判断は誠に遺憾》とつづった。野田氏は、報道が出た当初から、夫が元暴力団員とする報道を真っ向から否定。「夫を信じている。歯を食いしばって頑張りたい」などと発言していた。
ブログでは、夫が暴力団に所属していたとされる時期について、当時の知人や勤務会社の関係者に事実関係を確認したとして、《当時、夫がごく普通の会社員として真面目に勤務し、プライベートも含め、暴力団として活動する余地などなかったこと、また、暴力団との関係もなかったことを明らかにしていただきました。》と説明。
加えて、裁判に登場した証人についても言及した。《他方、週刊誌に頼まれて夫が暴力団に所属していたと証言をした人物(元暴力団組長※これが真実性に関する唯一の証人)については、昨年、京都府警が偽証罪の疑いがあるとして捜査を開始し、本年5月に至るまで熱心に捜査を続けてくださいましたが、残念なことに、当該偽証をした人物が死亡し、捜査は打ち切りとなってしまいました。ただ、本年7月、捜査を担当した捜査官の方からは、この人物が偽証をしたものと考えていたとの見解を頂いています。》と主張している。
《最高裁は法律審であり、上記のような事実を踏まえていないものであります。》と猛反論した野田氏だが、結果として、夫が「元暴力団員ではない」と証明し切ることができなかったということになる。ネット上では、最高裁判決に、衝撃を受ける人が続出している。
《最高裁の棄却で、高裁の事実認定が確定しちゃったわけで、相当衝撃的な出来事。女性初の総理としての目は消えたかな。》
《残念ながら過去は清算されないよ。しかも税金をもらってる仕事だからね。こうなったら国民にしっかり説明を。》
《いずれにしても、野田聖子を政治家として選んでよいか、という疑問に立ち入りますね。》
実業家のひろゆき氏も、この話題に言及。「統一教会どころじゃないよね」としたうえで、私見を語っている。
《元暴力団員だと永遠に人権を認めないのもおかしいと思ってます。野田聖子議員の夫が「元暴力団ですが、反省して魚屋やってます」とかならまだ良いです。夫婦揃って「暴力団員では無かった」と嘘を裁判所に主張してるのがマズイと思ってます。》
「2011年にいまの夫と結婚した野田さんですが、元暴力団組員だったとは何度か報じられていました。今回の裁判をめぐり、野田さんは『夫は元暴力団員ではない』と強く否定し続けてきましたが、裁判の結果は伴わなかったようです。
一時は女性初の総理大臣の芽もある、といわれた野田氏ですが、この判決で、さすがに道は遠のいたのでは」(同上)
疑惑を払拭できなかった野田氏に、険しい道が待っている。
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