「またひとつ、古参の組織が消えてしまった。感慨深いよ」
「姉ヶ崎一家 関東会 姉ヶ崎一家 甲州家会 姉ヶ崎一家 五十嵐会 並びに 姉ヶ崎会を令和四年七月二十五日付を以て解散する事に決議致しました」
「姉ヶ崎会とは、浅草に本部を置く古参の的屋組織です。六代目山口組や住吉会などの指定暴力団ではなく、そのような大組織の傘下にもなっていない、独立団体です。
「チケットはネットで購入することが当たり前になり、本人確認も徹底しているから、ダフ屋が入り込む隙がなくなった。それに近年はコロナ禍で、コンサートそのものが開かれなくなっていた。ダフ屋としての仕事がなくなっていたようだ」
「本部がある浅草で、的屋として生きていく組織や、他団体に移籍する組員、また引退する組員もいるそうだ」(同前)
「姉ヶ崎会の解散届は提出済みのようだが、偽装解散の恐れもあるので、まだ正式には解散を認めていないそうです。しかも、東京都の暴力団排除条例では、暴力団を離脱したとしても5年間はその者を『暴力団員等』とみなすことになっています。解散に合わせて引退する組員は、今後も銀行口座が作れなかったり、家の賃貸契約ができなかったりなど、不自由な生活を送ることになります」