視察時間がわずか6時間だと発覚し、批判がやむ気配のない、自民党女性局38名のフランス視察。ついに、“身内” である自民党議員や支部から「処分」「議員辞職」要求が出始めた。とくにターゲットになっているのが、次女を同行させていた松川るい参院議員だ。
「8月7日、大阪の枚方市支部が、定例役員会の決議に基づき、茂木敏充幹事長に松川氏の参院選挙区支部長の更迭を申し入れました。世論の批判を浴びている一連のSNS投稿を『呆れるところ』『軽率な行為』と断罪しており、かなり激烈な文面です」(自民党大阪府連関係者)
この申入れ書、「とにかくタイミングが悪い松川」に対する地元の怒りの現われだという。
「躍進する維新の会に対抗するため、大阪での選挙体制強化を目指して設置されたのが『大阪刷新本部』です。先日は、自民党が候補を擁立する15選挙区のうち10の選挙区で、新たな支部長が決定したばかり。それなのに、自民党の評判を叩き落とす行為が飛び出たことで、大阪の各支部とも、松川氏に対する怒りを爆発させているんです。
たとえば、松川氏の選挙事務長を務めていた花谷充愉元府議は、Facebookで《松川るいさん!我慢できないので、言います 娘さんを党の費用でパリ、議員辞職すべきです 最低限、離党ですね 党費と税金に、娘さんの旅費を一部負担させてたのですから 発覚してから返すのは 泥棒が捕まってから返すのと同じですよね》と辛辣に批判しました。
枚方市支部が、大阪自民党刷新本部長の茂木幹事長に、松川氏の更迭を申し入れたのも同じ流れです」(同)
もっとも、一支部の申し入れだけで松川氏が解任される可能性はほとんどない。しかし、大阪府連では、ほかにも松川氏の追放を画策する動きが複数あった。実は、フランス視察について緊急会合が開かれる予定だったのだ。
ある自民党関係者はこう話す。
「10日の『役員連絡会』と、17日の『総務委員連絡協議会』の案内状が、8日に急遽届いたのです。議題はどちらも、フランス視察について。10日に開催予定だった役員連絡会の案内には、わざわざ『今回はマスコミ完全クローズ』と書かれ、下線まで引かれていました。極秘で話し合いたい内容があったのでしょう」
しかし、この会合、突如、2つとも中止になり、現場はてんやわんやの事態になったという。いったいどうしたことか。
「9日の夜、『会議は中止になりました』という連絡が各所に届いたんです。
松川氏は役員連絡会のメンバーでもあるので、当初はSNS投稿について本人の釈明を求める予定でした。しかし、問題が大きくなったことで、『議員辞職勧告も辞さない』と公言する府連幹部が出てきました。
議員辞職、最低でも離党を求めることが検討されていることを察知した松川氏が、茂木幹事長に会議を中止させるよう泣きついたというんです。
茂木幹事長も、これ以上コトを長引かせたくないため、府連会長に中止を命じたそう。大阪府連内では、会長・谷川とむ氏の弱腰にも不満が募っています」(前出・自民党大阪府連関係者)
なぜ茂木幹事長は会合を中止させたのか。
「次の内閣改造で副大臣就任が確実視されていた松川氏ですが、本心では一足飛びに閣内に入りたかったようです。しかし、彼女が所属する清和会では、参院枠や派閥会長が決まらず、閣僚入りは難しい。
そこで彼女が目をつけたのが、茂木派(平成研究会)です。次の衆院選で松川氏が衆院に鞍替えし、同時に茂木派入りを約束したそうなんです。茂木派は松川氏が移れば、2位派閥の麻生派に追いつきます。それで、茂木幹事長が松川さんを守ったと言われています」(自民党関係者)
世間のみならず、身内からの強風にもさらされている松川氏。幹事長の傘で、はたしてどこまで耐えられるのか。
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