市川猿之助、両親の死因「向精神薬中毒の疑い」現役薬剤師が解説「致死量を処方することはありえない」
「向精神薬とは、中枢神経に作用し、精神機能に影響を及ぼす薬物の総称です。精神疾患がない場合でも、抗不安薬(おもに神経症の治療薬)や睡眠薬(おもに不眠症の治療薬)などは、一般診療科でも頻繁に使われます」(吉澤氏・以下同)
「一般に処方される睡眠薬や抗不安薬は、安全性が高く、致死量はその薬剤によっても異なりますが、数百錠~数千錠以上と、かなりの量を服用しないと死に至ることはありません。しかし、これは健康な人の場合であり、高齢で肝機能が低下している場合などは、少ない量でも死に至ることがあると思います」
「ひと昔前まで睡眠薬として処方されていた、バルビツール系、ブロモバレリル尿素、バルビツール系と抗精神病薬との合剤などは、適正量と致死量の幅が狭く、安全性も低いため、乱用される危険性があり、最近ではほとんど処方されることはありません。製造中止になった薬もあります。
「正直なところ、私自身が病院に勤務していたときに、向精神薬のみで死に至った方はいません。数十錠、飲んだ時点で中枢神経が抑制され、起きていることはできませんので、発見、救急搬送されて助かる方がほとんどでした。猿之助さんももし服用していたとしたら、途中で意識がもうろうとし、致死量を飲むことはできず、発見された可能性があります」
【日本いのちの電話】
ナビダイヤル 0570-783-556(午前10時~午後10時)
フリーダイヤル 0120-783-556(午後4時~午後9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)