「フリーマンの長男もなついていたよ」ドジャース番記者が見た"一平ショック"を支える大谷の「新友人」
ジャック・ハリス(以下JH) 「翔平のピッチクロックに関するコメントには、少し驚いた。『自分のケガと関係があるのでは』という内容で、見直しを求めていると受け取れた。翔平の発言は影響力があるから、公の場ではっきりと自分の意見を発信したことは意味があるし、それを望んでいた投手は多いと思う。平凡な投手がいくら主張したところで、話題になることはないからね。翔平が言えば拡散力が違うし、MLB機構としても無視するわけにはいかなくなる」
ビル・プランケット(以下、BP) 「そうだね。その問題が今後、話し合われるとき、翔平の意見は重要になる。もちろん、本人も口にしたように、明確な因果関係はわかっていない。それを証明するにはもう少し時間がかかるだろう。しかし、エース級の投手が次々に故障をして、多くが長期離脱をしている。複数の医師の証言もそれを示唆している。MLB機構が強硬に『関係ない』と主張しても、選手は納得しない。もちろん試合の時間が短縮されたことに関して、必ずしも選手の受け止めは悪くないんだけどね……」
――水原氏容疑者がいなくなったことでの、大谷への影響は?
JH 「私は2021年にエンゼルスを担当していたから、2人の関係をよく見てきた。たんなる通訳ではなく、トレーニングのパートナーであり、運転手でもあった。私生活でも翔平は一平に頼り切っていて、翔平が帰国するときも一緒だった。その一平がいなくなったのだから、少なからず影響はあると思う。一方で、翔平は騒動の直前に結婚していた。その時点で、遅かれ早かれ、『プライベイトでの一平への依存度が低くなるだろう』とは思っていたよ。ドジャースには日本人スタッフもいるので、一平なしでも徐々に適応できると思う」
BP 「もっとも信頼していた人に裏切られたのだから、もちろんショックだったと思う。でも、吹っ切れたというか、切り替えているように映ったね。事件後、翔平は一平の件を報道陣に聞かれて『グラウンドのなかで100%表現することが僕の仕事。グラウンドの外で何があっても変わらない』と話していたけど、その口調は自分に言い聞かせているようで、彼の強い決意を感じたよ」
――大谷のドジャース加入で、取材するメディアの数は増えた。チームメイトはどう思っているのだろう?
BP 「翔平はチームの勝利に貢献しているし、選手らは歓迎しているよ。メディアの数が増えたから、たしかにクラブハウスは騒がしくなった。だけど、メディアがいるときは、クラブハウスの外にいればいいだけだと選手は知っている。韓国の開幕シリーズでは100人近いメディアがクラブハウスに入ってきて、逃げる場所もないから、さすがに不満が漏れていたけどね(苦笑)」
JH 「あれはちょっと異常だった。クラブハウスのなかを移動するだけでも大変だったから(笑)。でも、シーズンが始まって、いまはだいぶ落ち着いてきた。さほど問題にはなっていないし、『翔平や山本のせいだ』と、不快感を漏らす選手はいない。
――大谷はチームに馴染んでいる?
JH 「試合前のストレッチのときには、ドミニカ出身のテオスカー・ヘルナンデスらとよくじゃれ合っている。翔平は彼からスペイン語を学んでいるようだ」
BP 「キャンプ序盤は、フリーマンの長男のチャーリーくんが来て、翔平になついていた。キャンプでの翔平は、リハビリで別メニューだったけど、トレーナーのトラビス・スミス氏とは、よく冗談を言い合っていたよ」
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