Amazonジャパン「上司から"挨拶パンチ"」「中年いじめ」現役&元社員が告発する巨大企業の闇
「退職した理由は2つ。月に160時間を超える残業によるうつ病と、上司によるパワハラです。48歳で入社した際、『西城秀樹が若くして死にましたけどNさんは大丈夫?』と揶揄されたり、仕事を教えてほしいと頭を下げても『君に教えても理解できないでしょ?』と嫌味を言われたり、複数人宛てのメールに名指しで『ミスをした』と書かれたりして、人事部に訴えましたが、不問に付されました」
「コーチング・プランとは、内容はさまざまですが、前年の成績不振者に期限を定めて課題を与え、達成度を評価するもの。たいてい、達成困難な高い数値や抽象的な内容の目標が課されます。私の場合、『決められた仕事ができていない』との評価が下り、『退職合意書』を突きつけられました。『仕事ができていないのはどの点か』と問い質しましたが、無回答でした」
「管理者の中に『挨拶パンチ』と称し、契約社員を殴る者が2人もいて、彼らは人格を否定する発言もしています。でも問題にならない。逆に、彼らはマネージャー候補に出世している。こんなことがまかり通るのは、マネージャーである上司に気に入られているからなんです。アマゾンでの評価は上司の胸三寸です」
「倉庫の中では荷台に轢かれる事故がよく起きますが、あるとき轢かれそうになった人に、『○○さん、危ない!』と大声で注意したことが問題視されたんです。上司に『その言い方はNG』と言われました。怪我したらどうするんですかと言うと、そうならないようにちゃんと伝えましょうと。じつは、私も荷台に轢かれて怪我をしたことがありますが、上司はその報告書を紛失したんです」
「低評価の理由を上司に聞いても『言えない』の一点張り。納得できないと抗議すると、『あなたは言い訳しかしない』と言われ、それを理由にプランの対象者にされました」
「復職3週めから、休職前にやっていた入荷部門に加えて出荷部門もまかせられ、6月からはマネージャーも兼任となりました。従来は2人でやっていた業務で、私の仕事量は3、4倍になりました。昼休みを取らずに働いても終わらず、産業医から制限されている時間外労働を余儀なくされました。
「チームリーダーとして、他社と共同で進めるプロジェクトの課題を与えられました。期限は5月末でしたが、土日も働き、4月半ばで目標を達成したのです。ところが突然、上司が『この数字は認められない。書面にある目標を達成すればいいというものではない』と言うので唖然としました。合格の基準を問うと『自分で考えろ』と。まるで禅問答ですよ。要するに、上司は私を認めるつもりがないんです」
「私もあなたと同じ立場になる覚悟はしている。私だったらさっさと会社から逃げる」
「年末の営業は売り上げの回収が主体で、案の定、私以外は誰も1件も取れなかった。上司もゼロ。私は死ぬ気でやって数件獲得しました」
「日本の労働契約法では、解雇は『客観的、合理的な理由』と『社会通念上の相当性』がなければ、解雇権の濫用で無効であると決められています。Iさんの場合も無効が妥当です」
「アマゾンの現役社員から、電話やメールによる相談が毎日のように寄せられています。彼らはおしなべて、アマゾン独特の『コーチング・プラン』の被害者です。業務改善という名目とは異なり、実際は退職勧奨の手段なのです。このプランに入れられた人は、結局、自主退職に追い込まれます」
「当社ではいかなるハラスメント行為も許容しておりません。またそのことを、社内の規則でも明確に示しています」