2022年中にいよいよ工事が終わるという、広島にある厳島神社の大鳥居。だが、終了直前にとんでもないイベントがあると、ネット上で話題になっている。
8月31日、「第99回宮島写生大会」のチラシとともに、こんなツイートが投下された。
《今までは朱い鳥居を描けば良かったのに、足場が組まれたことで難易度が爆上がりした伝統的写生イベントがこちら》
毎年10月におこなわれている「宮島写生大会」だが、チラシ上部には「大鳥居修復工事完了直前特別企画」の記載とともに、工事中で足場が組まれている大鳥居の写真が。
宮島観光協会のサイトを見たところ、「描画場所は宮島島内の史跡・名勝など基本的には何でもOK」としつつ、いましか描けない工事中の大鳥居を、ぜひ作品として形に残してほしいとある。
参加できるのは、絵が描ける幼児から大人までと幅広い。とはいえ、足場だらけの大鳥居を描くとなると、かなりの気合いが必要そうだ。ネット上では、“歴史的難易度” に動揺する声が続出している。
《芸大の入試実技?》
《こんなの3時間じゃ描けないよォ(試験会場で号泣)》
《この足場を4~6時間以内に描き上げて提出しろとwwwww何そのほぼ無理ゲーな難易度》
いったいなぜ、これほどハードな企画を敢行したのか。宮島観光協会の担当者に話を聞いた。
「どうもネット上で大騒ぎになっているようで……(笑)。なぜ足場のある時期にやるのかという話ですが、毎年10月にやっているイベントですから、今年も10月に開催せざるをえないというのが正直なところです。
ただ、今回の修復作業はじつに70年ぶりです。大鳥居に足場が組まれるような姿は、向こう数十年は見られません。ぜひ今のうちに、絵に描いて残していただきたいという思いは大きいですね。
修復作業は2019年から始まったのですが、やはり難易度の問題か、写生大会で大鳥居を描いた作品は一気になくなってしまいました。
ですから、これまでは幼児から高校生を対象にしていたところを、今年から大人の方々もご参加いただけるようにしています。ぜひ、いまの大鳥居の姿を後世に残してほしいと思っています」
イベントへの参加は事前に予約するわけではなく、当日その場で受付する形だ。去年は170人ほどの参加者が集まったという。
「例年は1日だけの開催でしたが、今年は土日2日間の開催にしました。ネットで話題になった効果か、メールでの問い合わせもいくつか来ていたので、ちょっと当日の人数が読めなくて怖いですね(笑)」
腕に覚えのある人たちは、参加してみるのも一興かもしれない。
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