9月21日、韓国の尹錫悦(ユン・ソギュル)大統領が、訪問先の米ニューヨークで発した低俗な発言がカメラに捉えられ、物議をかもしている。
映像では、感染症対策に取り組む基金への増資を検討する会合で、米国が60億ドル(約8600億円)の出資を表明した後、尹氏が「もし、この野郎どもが議会で可決しなかったら、バイデンのクソ面子は丸つぶれだな」と朴振(パク・チン)外相ら側近に、韓国語で話しかけている。
尹氏の発言は、バイデン氏が約束した資金拠出には米議会の承認が必要である点を指摘したものとみられるが、この映像はYouTubeに投稿され、一気に拡散。「この野郎ども」という言い方は、人前で口にするのがはばかられるもので、野党からは「外交惨事」だという批判が巻き起こっている。
「尹氏の『失言癖』は、大統領選期間中から批判を浴びていました。労働政策をめぐっては『週に120時間、働けるようにすべきだ』と、長時間労働を奨励するような発言で批判を浴びました。1980年に民主化デモを制圧した光州事件を主導した全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領をめぐっては、『軍事クーデターと5・18(光州事件)を除けば、しっかりやったと言う人たちは多い』と擁護し、釈明に追い込まれました。
また、人事をめぐって記者の質問に『文(在寅)政権時代に、長官に指名された人間で素晴らしい人がいたのか』と語り、野党の猛反発を招いたことも。
歯に衣着せぬ発言には『品がない』という批判の声も上がっていました。今回は、恐れていたことが外交という舞台で起きてしまったわけで、支持率低迷にあえぐ尹大統領にとって致命傷になりかねません」(韓国事情に詳しいジャーナリスト)
尹大統領の失言が報じられると、日本のネット上でも非難の声が巻き起こった。
《「失言男」と言われた森喜朗でもこんな事言わんぞ》
《相手のバイデン大統領も「失言王」などと言われるけど、こっちは人を見下した内容であり、性質が違いますね》
《選挙戦のときから失言が多かったけど、今回のは暴言。支持率が低いところを、自ら下げるスタイルか・・・新しいですね。就任早々、レームダックになりそう》
日本でも、かつて森喜朗元首相が失言がきっかけとなり、首相辞任に追い込まれた。尹大統領は批判に耐えられるだろうか。
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