1990年代に一世を風靡したシンガーソングライターの川本真琴(48)のツイッターでの投稿が、物議を醸している。
「川本真琴さんは、かわいらしい顔立ちとクオリティの高い楽曲で人気を博したシンガーソングライターです。アニメ『るろうに剣心』のオープニング曲『1/2』が大ヒットしたことで、一躍その名を知られるようになりました。
しかし、2000年代に入ると、自身のアイドル的な人気に葛藤するようになり、インディーズに移行。それ以来、寡作ではありますが、熱心なファンを抱えながら活動を続けています」(音楽ライター)
そんな川本が9月20日、自身のツイッターで、音楽のサブスクリプションサービス(サブスク)を批判する投稿をおこなった。
《サブスクというシステムを考えた人は地獄に堕ちてほしいと思っている。じゃあ、サブスクやめればというかもだけど、CDデッキを持ってない人も多くなって、どないしろという現実。》
サブスクとは、Apple MusicやSpotifyといった、定額聴き放題サービスのことで、月1000円程度の利用料を支払うことで、膨大な数の音楽が聴き放題になる。9月20日現在、川本がこれまでにリリースした音源の大半は、サブスクで配信されている。
大手レコード会社社員が解説する。
「最近はかつてのようにCDなどを購入することはめっきり減り、サブスクやYouTubeなど、ネット上で視聴するのが主流となっています。利用者からすれば便利ですが、反面、アーティストへの売上の還元が少ないと、かねてから問題視されてきました。
サブスクでは、アーティストの楽曲が再生された回数に応じて、売上が支払われます。正式に公開されているわけではありませんが、大手サブスクであるSpotifyでは、楽曲が1回再生されるごとに0.003~0.005ドルがアーティストに支払われると言われています。
これは一見公平な制度に見えますが、サブスクの運営会社の判断で収益が決まってしまうことになり、不満を抱いているアーティストが多いのも事実。
たとえば山下達郎さんは、『表現に携わっていない人間が自由に曲をばらまいて、そのもうけを取っている。それはマーケットとしての勝利で、音楽的な勝利とは関係ない』として、サブスクリプションでの配信はしないと宣言しています。
コロナ禍でライブの売上も期待しづらくなった今、大がかりな流通に自らの楽曲を乗せず、独自性を追求してきたミュージシャンは苦境に立たされています。業界全体がCDの売上減に苦しんでいるなか、今回の川本さんの発言は、正直なところ『よくぞ言ってくれた』と思ってしまいますよ」
川本の今回の投稿には、
《ジャケットも含めて音楽商品だと思ってるのでCD販売が無くなって欲しくないです》
《サブスクも映画みたいに新譜とカタログで違う価格設定をしてみたらどうだろう?》
《音楽好きにとってサブスクほどありがたいものはないです。新しい音楽にどんどん触れることができます。現に、CD時代なら絶対に手にしなかったであろう川本さんの素敵な楽曲を今こうして聴いています》
《サブスクリプションをチャンスと捉えてる人々もいる。どの業界でも時代に合わせて正しくアップデートし順応していかないと、明るい未来は望めません…》
など、賛否両論が寄せられている。視聴者がいい音楽を聞き続けるために、考え直さなければいけないこともありそうだ。
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