「お、お母さん! マルガリータ!!」
大相撲一月場所の優勝を決める千秋楽の大一番。テレビ解説の北の富士さんが興奮気味に声を上げたのが、国技館で応援する御嶽海の母・マルガリータさんが画面で大写しになったときだった。
よくご存じですねというアナウンサーに「ファンですから」と、嬉しそうに答える元角界きってのプレイボーイ。ミスターダンディをもメロメロにさせる「噂の美人ママ」なのだ。
御嶽海が横綱・照ノ富士を寄り切り三度めの優勝、大関昇進を確実にした直後、大喜びするマルガリータさんの様子もテレビ中継され、「マルガリータ」はTwitterでトレンド入りするほど話題になった。
陽気なキャラクターで知られる新大関・御嶽海だが、それはフィリピン出身の母の影響が大きいようだ。5年前、本誌の取材にマルガリータさんはこう話している。
「ヒーくん(御嶽海の本名は久司)は元気で遊びまわる子だったけど、家事もよく手伝ってくれました。今でも帰ってくると、『ママは休んでて。僕が食器洗うから』って。料理も得意で、この前はエビチリを作ってくれました。天ぷらも上手なんですよ」
さらに、父・大道春男さんも、息子の子供時代を明かしてくれていた。
「やんちゃな子でね、家の中でゴルフのドライバーを振り回して、ビデオデッキや体重計を叩き壊していました。それぞれ3台ずつ。目覚まし時計も片っ端からぶっ壊していたなあ(笑)。
久司が相撲を始めたきっかけは、小学1年のときに地元の相撲大会に出たこと。自分より体の小さい子に負けたのが悔しかったんでしょう。負けん気の強い子ですから、それから夢中になってね。野球やサッカーもやりましたが、本気なのは相撲だけでしたよ」
一人っ子だけに、親子の愛情はことさらに深い。大学卒業後、和歌山県庁への就職が内定していたが、プロの道を諦めきれずにいた御嶽海は母に「プロに行ったら応援してくれる?」と相談していたという。
三度めの優勝を決めた日の夜、NHKの番組に出演した御嶽海は、母の歓喜する映像を見て「コロナ禍なので静かにしていてほしかったですけど……」と苦笑い。そして「よかったです」と素直に喜びを表現した。
長野・上松町からたびたび上京し、息子に声援を送ってきた母。コロナ禍により、この日が2年ぶりとなる本場所での応援だった。その声援も、大関獲りへの大きな力となったのかもしれない。
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