「この年のユーミンは過去最高のハードスケジュールでした。2月にアルバムを出し、そのツアーをまわったあとは、夏のリゾートコンサート。12月には次のアルバム『VOYAGER』を出すことが決まっていて、この前後も徹夜で制作をおこなっていたそうです。だから、イラつくのも仕方なかったのでしょう…」
「客席前方に、私語がうるさい学ラン姿の男子学生がいました。ユーミンは彼らに『ちょっとそこの人、いい加減にして。嫌なら出てってくれない?』と説教したのです。しかし、続けて彼女が『こっちも学祭の限られた予算内で、クオリティを下げずにやってるんだから…』と呟くと、その“本気宣言”に会場に詰めかけた学生たちのボルテージはいっそう上がりました」(同前)
「観客に呼び込まれたユーミンは『じつは』と口を開きました。『私、松任谷(正隆)さんとつき合う前に、青学生とつき合ってたことがあってね。よく青学の正門前で、待ち合わせて渋谷で映画を観たり、デートしてたんですよ。そのころのことを書いた曲を歌います』と告白したんです。もしかしたら、青学生に向けたリップサービスだったのかもしれませんが、この告白によって一夜限りの“伝説のコンサート”になったんです」
「プールを生かし、通常のコンサートでは考えられない高さのセットの上で歌ったり、浮島から噴水とともに上昇して歌ったりと、こだわりのセットでした。プールらしくド派手なハイレグ衣装も披露していましたね。逗子での『SURF&SNOW』は、彼女が50歳のときで最後でしたが、とにかく美脚にこだわっていた。その姿勢は今も失われていないと思います」(同前)