NHK「自衛隊ヘリで支局に燃料を!」能登地震で総務省へ“支援要求文書”職員失望【写真あり】
「現地では必死で捜索が続けられていますが、土砂崩れなど道路の寸断が相次ぎ、孤立状態が続く地域があります。自衛隊のホバークラフトやヘリコプターなどが活躍し、被災地支援と捜索が続けられていますが……」(社会部記者)
「うちは、国営放送になるつもりでしょうか……」
「どんな災害でも、民放各局は自前のリソースで取材をやっていますよ。自衛隊頼みとはあきれます。こうやって国から“恩”を受けておいて、政府を強く批判できるのでしょうか。現場の記者たちが知っていたら、こんな要請を出すのは絶対に止めたと思います。私の周囲には、この文書に憤る職員しかいませんよ」
「NHKさんから一方的に送られてきたものです。対応できるものは対応しますし、できないものにはできないというだけです。実際に、自衛隊によるNHK支局への物資の運搬はさせていただきました。民放にも必要があれば対応します。これまで災害時に、このような文書を受け取ったことはありませんね」
「NHKは災害対策基本法により、報道機関で唯一の指定公共機関とされ、被災地域における放送の維持・継続にあたって、行政機関への応援要請も含め、必要な応急措置をすみやかに実施しなければならない、とされています」
「民放各社とともに、自衛隊に対して山頂部の放送所までの燃料と作業要員の輸送を依頼しました」と言う。さらに、自衛隊に運んでもらった燃料は事前にNHKが用意したもので、それ以外に取材活動などで便宜を受けたことはなく「燃料の運搬以外はすべてNHKが自ら対応しています」と、当然の要求だったとした。
「難しい問題です。指定公共機関になるとはどういうことか、という議論をサボってきたツケですね」
「指定公共機関は、ほかにNTT、KDDI、セブン-イレブン、コスモ石油、JRや各電力会社など、いわゆる公共的な役割を担った会社が指定を受けています。国がすすめる災害対策のなかで、指定公共機関に求められる役割は年々増えており、もちろんNHKには、放送を維持する責任があります。しかし、報道の自由・独立についても考える必要があります。本当に切羽詰まった状況以外で『うちは指定公共機関だから優先してよ』と気軽に言ったのだとしたら、あまりにも残念ですね。逆に言えば、国の支援を受けてまで放送している内容ということになるので、今回の災害報道についても、世間から厳しい目でその内容を吟味されるべきでしょう」
「指定公共機関だからこそ、災害時にも自前で処理をするのが大前提なんです。本来、被災地に振り分けられるべき自衛隊の余力を奪うのは、言語道断でしょう」